インカレを終えた4年生:福原周治選手(京都大学)

インカレを終えた4年生シリーズ 第12回目は京都大学 福原周治選手です。


福原周治選手(京都大学)メッセージ

■インカレ振り返り
近年、京都大学はインカレのトラック競技に出場していません。理由はトラック競技に割ける時間的・金銭的余裕がない選手が多いためです。
ということで今年も京都大学はロードレースに絞ってインカレに出場しました。

たくさんの観客に見守られながらフィニッシュを迎える福原選手

今年のインカレではロード大学対抗で3位以上、個人としては優勝を目標にしていました。
昨年度のインカレロードでは同じ美麻のコースで大学対抗4位、個人でも4位でした。

大学対抗&個人で4位を獲得した2018年インカレにて。昨年度よりも順位を落としたのが福原選手としては心残り。(2018.9.2撮影)

データ的に今年のチームメイトは昨年よりも力がありましたし、目標達成の可能性は小さくなかったと考えています。
しかし実際は大学対抗8位、個人11位。去年よりもむしろ成績が悪かったです。原因はコンディショニングの失敗、つまりは実力不足です。チームとしても個人としても目標達成を目指してこの1年間取り組んできましたし、OBの方々など周囲の期待も高まっていただけに、ゴール後は悔しさを通り越して虚しさを感じましたね。

反省点はあるものの京都大学各選手とも力を尽くした2019年インカレロード
懸命にサポートした補給メンバー(京都大学&京都府立医科大学)

■学連レースや4年間の思い出
私は学連選手の中でも学連レースの出場数が少なかった方だと思いますが、そのなかで思い出深いのは山形村ヒルクライムです。
このレースは例年ツール・ド・北海道と被ること、インカレロードの翌週にあることなどが原因で比較的強豪選手が少ないレースでした。また普段から盆地の京都で練習していて登りが得意な分、京都大学には有利なレースです。地元の名産品をふんだんに盛り込んだ豪華な賞品をいただけることも魅力的なレースです。
私は2回生の時にこのレースでクラス1に昇格し、3回生の時にはクラス1で優勝しました。特に3回生時はチームでレースを動かせたので楽しかったです。
私は大学4年間でなかなか結果に満足できるレースがありませんでしたが、山形村ヒルクライムは数少ない満足できるレースでした。個人的にはまたRCSに復活してほしいですね。

インカレには出場していないものの、京都大学でもトラック競技への参加選手が増えている(2019.8.4 西カレ会場にて)

また学連レースではありませんが、今年の学連推薦枠で運良く出場できたツール・ド・北海道は間違いなく一生の思い出になるレースでした。このレースは京都大学として8年振りの出場でした。
京都大学は先輩方からツール・ド・北海道出場を目標にしてきました。その選考レースの中でチームTTが苦手だったので、その対策のために今年3月からは外部からコーチをお招きして練習してきました。しかし努力は報われることなく今年6月の個人ロード後の北海道推薦順位は7位でした。ツール・ド・北海道への道がほぼ閉ざされた個人ロードのゴール直後は本当に悔しかったです。
これが8月20日に部長の方に連絡があり、急遽京都大学の出場が決まりました。この時は夜も眠れないほどうれしかったです。
ご寄付やクラウドファンディング、スポンサー関連で多くの方々から多大なるご支援をいただいて急遽決まった北海道を走り切れました。またインカレでの不調が嘘のようにツール・ド・北海道の期間は好調でした。チームとしては大学2位、個人としては大学生3位で満足のいく結果でした。

この4年間、学連関係者の皆様を始め、本当に多くの人々にお世話になりました。ありがとうございました。

チームロードTTにも出走していた京都大学チーム

■学連を目指す選手たちへ
学連選手として「競技」に取り組むからには結果を求めて活動してほしいです。そして自身の競技力向上を感じながら自転車を楽しんでほしいです。
日本の自転車競技は競輪を除いたほとんどの種目がマイナー競技です。しかしマイナー競技だからこそ初心者にとっては努力が結果という形で報われやすいとも感じます。自転車は乗ってさえいればある程度強くなりますし。

マイナー競技であるがゆえに努力が報われやすいと考える。 ※写真は多くの観客、メディアも訪れるインカレのスタートシーン。

学連は大学から競技をはじめたばかりの選手からJPTでバリバリ走っている選手までいて、誰もが目標を持って強くなれる環境だと思います。自分よりも強い選手やチームを目標にしてどうすれば勝てるのかを自分で考え、実行してください。もちろんこの思考段階で練習内容はもちろん、講義やアルバイト、普段の生活まで考慮しなければなりません。

私の場合は競技を続けてきて、最後は最大の目標だったツール・ド・北海道出場がかないました。報われない努力も当然ありますが、努力と競技力向上を通じて目標をひとつひとつ達成し、自転車競技を楽しんでください。そうすれば最後は結果に満足できると思います。

利根川TT会場にて。同道した京都府立医科大学 中山選手と共に(2019.6.2)

<編集後記>
本記事は西日本学生委員長 木下晴音さんに協力いただき作成しました。ありがとうございました。

インカレを終えた4年生シリーズ2019 バックナンバー
・武山 晃輔選手(男子ロード優勝)
・古山稀絵選手(女子総合優勝 日本体育大学キャプテン)
・福田咲絵選手(女子ロード優勝)
・小嶋健太選手(男子ロード総合優勝 日本大学主将)
・山根将太選手(男子総合優勝 中央大学主将)
・五味田奈穂選手(順天堂大学)
・上野恭哉選手(法政大学)
・橋本優弥選手(鹿屋体育大学)
・橘田和樹選手(立教大学)
・竹村拓選手(明治大学)
・曽我部厚誠選手(京都産業大学)

photo&編集 深井文浩