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[みどころ]インカレ新種目:オムニアム

文部科学大臣杯 第74回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会トラック競技が8月17日(金)−19日(日)に静岡県伊豆市大野 日本CSC伊豆ベロドロームで開催されます。

今年度からインカレに追加となった種目「オムニアム」について説明したいと思います。

オムニアムは複数の競技の成績を点数化して、その合計得点の優劣により競う競技です。

UCI主催の世界選手権では男子が2007年、女子は2009年より実施されていて比較的新しいトラック競技種目です。

種目については2016年のルール改正以降、6種目あった種目が競技種目変更があり、2018年現在は下記の種目と順番でレースが行われています。

第1種目:スクラッチ
第2種目:テンポレース
第3種目:エリミネーション
第4種目:ポイントレース

詳しいレースの説明はofficialsのHP内の競技種目紹介ページで情報配信しておりますので、そちらも御覧ください!

オムニアム

インカレで初開催のオムニアム!
学連では2017年から学生選手権大会としてオムニアム競技が学生選手権種目に採用されました。
それ以前は、学連主催のトラックレースのシリーズ戦:TRSの中でオムニアムラウンドという形でありました。

そして今年度(2018年)からはインカレで行われていたポイントレース、スクラッチといった中距離種目がオムニアムという形で統一されました。

まずはポイントレースで予選
今回のインカレでのオムニアムは出場選手は1大学1名で予選のポイントレースを行ってから本戦に入ります。
出場予定大学選手は30名で本戦には20名すすめる予定です。

注目選手は?
2018年全日本学生選手権オムニアムはJICF国際トラックカップと同時開催で、安彦選手(日本体育大学)が初優勝を飾りました。
2位は草場選手(日本大学)でした。

2018年全日本学生選手権オムニアム優勝の安彦選手(日本体育大学)写真左上。 写真中央が2017年学生選手権オムニアム第2位の近藤選手(法政大学)
ロードレース、トラック中距離で活躍する草場選手(日本大学)
高校時代からトラック中距離で活躍する曽我部選手(京都産業大学)

2017年の第1回全日本学生選手権オムニアムの優勝は中井選手(京都産業大学)でした。今回のインカレではポイントレースで成績を残している曽我部選手(京都産業大学)が出場します。

その他にも注目を集めるのは、2017年学生選手権オムニアムで2位の近藤選手(法政大学)や2018年学生選手権オムニアム3位の植益選手(大阪産業大学)、ポイントレースや国際大会でも活躍する松本選手(鹿屋体育大学)、その他にも永田選手(朝日大学)の走りに注目が集まります。

植益選手(大阪産業大学)と永田選手(朝日大学)ともに西日本学連で活躍する選手
国際大会でも経験を積んでいる松本選手(鹿屋体育大学)

全日本選手権や国際大会でも学連選手が活躍するオムニアム
2017年のUCI主催のワールドカップで梶原選手(筑波大学)が日本人史上初の女子オムニアムで優勝し、学連OBの橋本選手(KEIRIN・鹿屋体育大学OB)が2014年アジア大会オムニアム優勝、またリオ五輪ではOB窪木選手(ブリヂストン・日本大学OB)、OG塚越選手(シエルブルー鹿屋・鹿屋体育大学OB)が出場するなど大学生での自転車競技を経て、オムニアムで活躍する選手は多くいます。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックでもオムニアムにこのインカレでのオムニアムを経験した選手が出場する可能性も多くあります。

是非、今回のインカレオムニアムにはご注目いただき、新しい競技種目としてこれからも多くの方々にご声援いただきたいと思います。

 

[みどころ]文部科学大臣杯 第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会トラック競技

大学自転車競技の頂点を決める競技大会!
大学自転車競技のビックイベントである文部科学大臣杯第73回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会(通称:インカレ)がトラック競技2018年8月17日(金)から8月19日(日)まで静岡県伊豆市大野 日本サイクルスポーツセンター 伊豆ベロドローム( 250m) で、ロード競技が9月2日(日)に長野県大町市美麻地区 公道周回コース 1周 13.4 kmで開催されます。

関連情報
公式HP大会概要ページ:http://jicf.info/8233/
昨年度大会の競技結果:http://jicf.info/5960/

例年、トラック競技、ロード競技ともに同開催でしたが、今年度は分離開催という形になっています。

インカレとは?
日本学生自転車競技連盟が主催する競技大会には全日本学生選手権大会が現在7つあります。(大学対抗選手権・個人ロード・クリテリウム・チームTT・個人TT・個人トラック・オムニアム)
インカレは連盟発足年である1936年に記念大会が行われ、以降現在に至り、今大会で74回目となります。
全日本学生選手権の最上位に位置づけられた大学対抗戦としてトラック・ロードの各種目の得点を総合した大学の総合成績で競う競技大会です。

競技種目 は
男子の部:スプリント、1kmTT、ケイリン、4kmIP、タンデムスプリント、4kmTP、チームスプリント、 オムニアム、マディソン、個人ロードレース 174.2 km(13周=174.2 km)

女子の部:スプリント、500mTT、3kmIP、チームスプリント、オムニアム、マディソン、 個人ロードレース 67.0 km(5周=67.0 km)

合計男子10種目、女子7種目で開催されます。

 

大会フォーマット・スケジュールが大幅変更!
今大会は、平成最後のインカレとなるだけでなく、2020年の東京五輪に向けた改修工事に入るため、現行の伊豆ベロドロームでは(おそらく)最後のインカレとなります。

東京オリンピック2020の競技会場になっている伊豆ベロドロームは大幅な改修工事を予定している

伊豆ベロドローム

また、本年度からインカレにマディソンとオムニアムが正式種目として追加された関係上、トラック部門とロード部門が分離開催になっただけでなく、トラック部門の大会スケジュールも大幅に変更されました。

スケジュール決定の際には、理事会などで多くの時間を割いて協議が行われ何回も変更が加えられました。
トラック部門のスケジュール変更で二つの点が注目されると思います。

本年度追加種目(1)マディソン。これまで本連盟では全日本学生選手権トラック自転車競技大会のみで行われていた。
本年度追加種目(2)オムニアム。 写真はJICF国際トラック エリミネイションより。

大会初日から目が離せない!
大会最初の種目がチームパーシュート予選となりました。
選手はフレッシュな状態で戦いに臨めるため、いきなり大会記録や学連記録の更新が期待されるだけでなく、ここでよい記録が出るとチーム全体が活性化されます。
この種目の出場選手はオムニアムの出場選手と重複することが多いため、オムニアムの勝負の行方にも影響する可能性があります。

2018年学生選手権オムニアム優勝者は安彦統賀選手(日本体育大学)

そして、例年と同様にスプリント予選の200mタイムトライアルでは、先の全日本学生選手権トラック自転車競技大会で10秒5を切る好記録が続出しており、ここでも学連新記録や大会新記録が飛び出すかもしれません。

1年生ながら全日本学生選手権男子スプリントで優勝した中野選手(早稲田大学)

短距離系、中距離系の選手が初日に大部分初日に出走することとなり、この段階で各大学の仕上がり具合や選手の調子を確認することができるので、ぜひご注目ください。

また、チームスプリントやケイリンの決勝が最終日から2日目になったことにより、短距離系の種目もスケジュールがタイトになり、いかに消耗せずに調子を維持できるかが勝負のカギとなりそうです。

例年以上の全力な走りに期待!
今年から正式種目として新設されるオムニアムおよびマディソンがともに中距離系の競技ですが、トラックとロードの両方の部門にエントリーをする選手にとっては、ロードレースが2週間後になったことにより、トラック競技に集中しやすくなりました。
そのため、とくに中距離系の種目では例年にない高レベルの試合が期待できると思います。
計測系の種目では日程に従来より余裕ができ、日本有数の高速バンクの伊豆ベロドロームでの開催のため、学連記録や大会記録の続出が期待できると思います。

日本一の大学の称号はどこが手にするのか?
2017年度大会、男子は鹿屋体育大学の5連覇を阻止し、4年ぶりに日本大学が総合優勝を獲得しました。
トラック部門で82ポイント、ロード部門で31ポイント、合計113ポイントを獲得しロード、トラックともに圧倒的な強さをみせての優勝となりました。
今大会はその強さが今年も発揮されるか、または、各大学ともに新しい種目追加により戦略も変更されて、ポイントが各大学に分散されるかで、総合上位が大幅に変更される可能性もあります。初日からレースの行方に目が離せない展開になる可能性が高いです。

女子も昨年は日本体育大学がトラック部門42ポイント、ロード部門7ポイントで、鹿屋体育大学の3連覇を阻止して総合優勝を獲得しました。トラック部門で短距離系種目でポイントを多く獲得し優勝を盤石なものにしました。

今年は女子も各チームに種目ごとに強い選手が多くいるため、優勝の行方はわかりません。トラック部門で多くのポイントを獲得することで、2週間後のロードレースの戦略も変更になります。

男女ともに非常に楽しみな戦いが予想されます。各大学ともこのインカレにむけて合宿など充分な準備をして最高の舞台で素晴らしい走りができるようチーム一丸となって臨みます。

是非、現地での熱い声援を宜しくお願いいたします!!

当日は現地から、TwitterでのテキストLIVE配信などを予定しています!

■関連情報サイト・SNS■
日本学生自転車競技連盟公式HP:http://jicf.info/
JICF情報系HP officials:http://jicf.info/officials/
JICF競技速報Twitter:https://twitter.com/jicf_jimukyoku
JICFFacebookページ:https://www.facebook.com/jicfjoho/

第54回 西日本大学対抗選手権自転車競技大会

8月4日から5日にかけ大阪府岸和田競輪場で開催された本大会は9校から50名の選手がエントリー。各校のインカレ合宿や試験期間とも重なる時期となり参加人数は少なめでしたが、そのぶん密度の濃いレースが行われました。

レースは朝日大学が安定した強さをみせ総合優勝。続いて大阪経済大学、関西大学、大阪産業大学、中京大学という順位となりました。

トラック学校対抗総合表彰。朝日大学が13連覇を遂げた。

今回は選手2名以上がエントリーしていた総合順位上位4校の主将からコメントをもらいましたのでご紹介します。インカレへの思いも語っていただきました。
また、本レース学生委員として活動した西日本学連委員長の手嶋さんからもメッセージをもらっています。


■第1位 朝日大学
⻑⾕部 龍⼀主将コメント
西カレでは合宿の合間での大会ということで疲れがある中での大会でしたがみんな今出せる力をだして13連覇することができたので良かったです。
インカレでは去年総合4位だったので今年は総合優勝を目指しチーム一丸となって頑張りたいです。

チームスプリント決勝中の朝日大学。先頭が長谷部選手。

開会式では昨年度優勝の朝日大学から一旦トロフィー返還が行われた。

※朝日大学は合宿期間中でしたが参加メンバーは合宿を中断して本大会に出場し、終わり次第また戻るというスケジュールで臨んでいた由です。上記コメントも合宿中の長谷部主将よりいただきました。


■第2位 大阪経済大学
真部 拓海主将コメント
今回の西カレは出場校が少ないこともありましたが、大学対抗で2位という成績を残せたのは大変うれしく思っています。この成績が残せたのは主に1年生2人の貢献があってからこそなので感謝したいです。
インカレ(トラック)は伊豆ベロドロームということですが、ベロドを走った経験がない選手が数人います。そこのところが不安要素ではありますが、今出せる力を精一杯出して大経史上最高の結果が残せるよう頑張ります。 応援よろしくお願いします!

開会式で選手宣誓する真部主将
チームパーシュート出走前の大阪経済大学チーム(真部主将は写真左より2人目)


■第3位 関西大学
⼭神 海晴主将コメント
昨年の西カレでは3位。今年の西カレでは2位を取ろうとチーム一丸となって挑みました。しかし、結果は昨年と変わらず3位。悔しい結果となりましたが、これを糧に後輩たちが来年リベンジを果たしてくれると思います。
インカレでは個人・チームでの入賞を狙っています。目標を達成出来るよう、残された少ない時間を最善全力で過ごしていきます。応援宜しくお願い致します!

チームスプリント決勝出走前の関西大学チーム(山神主将は写真左)
チームスプリント予選中の関西大学チーム

手嶋 豊 西日本学連 学生委員長(関西大学)
今回の西日本インカレはいつも大会を仕切っている北山さんが諸事情で休まれるというアクシデントがあり、いつも北山さんの指示で動いていたのが、自分で何をしなくてはならないのかと考えて動かなくてはいけない大会でした。しかし東の学連委員の前委員長の小島さんや大人の役員の方々に色々教えてもらったりして何とか出来ました。

閉会式にて閉会を宣言する手嶋委員長

反省点としては、今回、大会の運営をしながら団体追い抜きの選手として走ったことです。運営の方に気をとられ、気持ちが作れないまま望んでしまいました。学連の仕事は大変ですが、色んな人たちと話せたりして結構楽しいです。西日本の大会はけいはんなロードと新人戦が残っているので最後まで気を引き締めて頑張っていきたいです。

チームパーシュート中の関西大学チーム(写真左から3人目が手嶋選手)

 


■第4位 大阪産業大学
源田 真也主将
今年の西カレは団体種目には出場せず、個人種目だけの出場でしたが、個人種目で表彰台に3人が乗ることができ、総合4位という結果を勝ち取る事が出来ました。
インカレでは2人がオムニアム、1㎞TTに出場し、7人がロードに出場します。 去年はトラック、ロード共に結果を残す事が出来なかった為、今年は、その悔しさを力に変えて上位入賞目指して頑張ります。 大阪産業大学をよろしくお願いします。

ポイントレースでは大阪産業大学選手が第2位(植益和行選手)、第3位(大前雄暉選手)でフィニッシュした。

 


■各種目表彰式(順不同)
全レースにおいて第1位を朝日大学選手が占める結果となりました(非エントリーの女子スプリント除く)。

男子チームパーシュート
男子チームスプリント
男子ケイリン
男子4kmIP
女子3kmIP
男子スプリント
女子スプリント
タンデムスプリント
ポイントレース
男子スクラッチ
男子1kmTT
女子500mTT

<編集後記 学連ウォッチャー:深井>
全国的に猛暑のなかでの開催となりましたが、幸いにも熱中症等の発生なく終えることができました。選手はじめレース中ずっと炎天下での執務となった競技役員や学生委員の皆様、おつかれさまでした。

西カレ2018競技役員、学生委員の皆様

[レポート]世界大学自転車競技選手権その2

世界大学選手権 ロードレースレポート その2

・8/4 土曜日 個人ロードレース

8:55~ 女子個人ロードレース(89.3km)

【結果】 
1位 Marta Lach(ポーランド) 2時間54分57秒 
2位 Karolina Sowa(ポーランド) 2時間54分57秒 
3位 Jaqueline Dietrich(ドイツ) 2時間56分23 

7位 福田咲絵(慶應義塾大) 3時間01分57秒
10位 中井彩子(鹿屋体大) 3時間03分42秒

近年まれに見る猛暑が予報されたため、午前中のレースながらも距離が5km弱短縮されたコースで総勢23名が争うこととなった。

コースは3カ所の登坂を含む大周回コースを回った後、5kmの登坂がある17kmの小周回を1周回るレイアウトとなっており、6名のエントリーをしてきたオランダや強豪オーストラリア、またタイムトライアル優勝者を擁するチェコチームを中心にレースが展開することが予想された。

暑さによる消耗を懸念してか、序盤はオランダ勢がコントロールしながら一つの集団で落ち着いたペースで走行。大周回最後のもっとも険しい登りでTTチャンピオンのTereza Korvosová選手(チェコ)がペースアップしたことで集団が一気に絞られる。

一時は先頭の7名に日本チームの2名が残るも、登坂をクリアする前に2人同時にドロップを余儀なくされる。

こぼれてくる選手を捉えようと、福田、中井両選手は追い上げを図るも、小周回で後方の選手に捕まり、スプリントのすえ、福田選手が7位、中井選手は最後の下り坂でコースアウトしてしまうトラブルもあり、10位でフィニッシュした。

14:00~ 男子個人ロードレース(105km)

【結果】 
1位 Ande Van Engelen(オランダ) 2時間56分33秒 
2位 Jacob Mathijs(オランダ) 2時間57分35秒 
3位 Liam Magennis(オーストラリア) 2時間57分35秒 

12位 冨尾大地(鹿屋体大) 3時間01分01秒 
15位 石原悠希(順天堂大) 3時間03分46秒 
完走 西尾憲人(明星大)  
完走 重満丈(鹿屋体大) 
DNF 川嶋祐輔(中京大) 
DNF 石井駿平(鹿屋体大)

男子も同様に猛暑の影響で後半の小周回が3周から2周回に短縮されてのレースとなった。スタート前から氷や水をかぶる選手が多くみられ、異常な暑さを物語っていたものの、女子とは対照的にリアルスタートからハイペースな展開となった。

日本チームからは序盤のアタック合戦に冨尾、石井、重満選手を中心に参加し、積極的な動きをみせていた。15km地点あたりで冨尾が単独で飛び出し、そこに先日のTTチャンピオンであるLiam Magennis選手(オーストラリア)含む3名の選手が合流し、逃げが形成される。

徐々に集団との差を広げていくが、強力な引きと急勾配の坂によって冨尾選手は逃げグループからドロップしてしまう。どうにか体制を立て直したい日本チームであったが、下り区間で石井が単独落車によってDNFとなり、主力を欠く中での戦いを強いられてしまう。気温がさらに上昇し、ばらばらとメイン集団から選手がドロップしていき、川嶋選手もその一人となってしまうも、石原選手はメイン集団で冷静に展開し、重満、西尾選手の献身的なサポートの動きが見られた。

小周回に差し掛かったあたりでメイン集団が活性化し、日本チームの選手も統率がとれなくなってしまうが、冨尾選手がそこから5,6名で抜け出すことに成功し、9位集団のスプリントで4着、12位でフィニッシュし、日本チーム最上位となった。

学生レベルとはいえ、レベルの高いレースをこなす他国の選手を相手にどう立ち向かうかが試された今大会。レース戦術のみではなく、自国とは異なった気象や文化、環境の中でいかに順応して戦っていくかという総合的な能力が問われていたようにうかがえた。2年後のオランダ大会では、より選手として多角的な能力が試される世界大学選手権へのチャレンジ精神を抱いた多くの学生が名乗りを上げてくれることを期待したい。

本遠征にご支援いただいた関係者の皆様に、心から御礼申し上げます。

TEXT:橋本直(鹿屋体育大学)

[レポート]世界大学自転車競技選手権その1

世界大学選手権 レースレポート1

・7/31 火曜日 個人タイムトライアル

12:00~ 女子(8.63km×2周=17.26km)
出場選手:福田咲絵(慶應義塾大学)中井彩子(鹿屋体育大学)

14:00~ 男子(8.63km×3周=25.89km)
出場選手:石原悠希(順天堂大学)、冨尾大地(鹿屋体育大学)

今大会の最初の種目である女子個人タイムトライアルは正午12時から行われた。
コースはほとんど直線でテクニカルなコーナーはないものの、1周で獲得標高が134m、スタートから上り基調で、ペーシング戦術が鍵を握るコースレイアウトとなっていた。

勢いよく加速する福田選手(慶應義塾大)

女子の最初の出走選手は今年度の全日本学生個人タイムトライアルでの優勝者でもある福田選手。
スタートからものの5分で1分前を走る中国の選手をパスする好ペースを刻み、26分46秒73(+58秒35、平均38.7km/h)の6位でフィニッシュした。

発送台に付く中井選手(鹿屋体大)

続く中井選手は29分02秒59(+3分14秒21、平均35.7km/h)の13位でレースを終えた。

優勝はチェコのTereza Korvosová選手であった。

続いて14時から男子のレースがスタートした。この頃には日差しも照っており、気温は30℃を超えていたため、猛暑の中厳しいレースになることが予想された。

スタート前の冨尾選手(鹿屋体大)

男子は昨年度のツールド北海道における山岳賞獲得の活躍が記憶に新しい冨尾選手からスタート。後半にかけて後続の選手を引き離す走りをみせるも、38分40秒68(+4分48秒17、平均40.2km/h)で課題の残る結果となった。

コース上には芸術的なモニュメントも 石原選手(順天堂大)

個人タイムトライアルを得意とする石原選手は最後から6番目スタートで、ある程度他国の選手タイムを把握できる位置で出走した。1周回目で好タイムを記録し、そのまま維持できれば上位入賞が狙えるくらいの勢いであったものの、後半での失速を余儀なくされ、35分55秒57(+2分03秒06、平均43.2km/h)の10位でフィニッシュした。

優勝はオーストラリアのLiam Magennis選手であった。

石原選手のゴールを迎え入れるMTBの選手たち

・8/1 水曜日 クロスカントリー

10:30~ 女子(4.19km×5周=20.95km)
出場選手:山田夕貴(松本大学)

レーススタート前の山田選手(松本大)

14:30~ 男子(4.19km×7周=29.33km)
出場選手:上野蓮(日本経済大学)、江越昇也(桐蔭横浜大学)、穴田玖舟(札幌大学)、黒瀬文也(東海大学札幌キャンパス)、松田賢太郎(慶應義塾大学)、松本佑太(法政大学)

男子MTB・XCOのスタートに備えるMTB大学日本代表チーム
レース中の山田選手(松本大学)の様子

大会2日目はクロスカントリー競技が行われた。
午前中の女子の部には日本チームから唯一のエントリーである山田選手が出場。スタート直後の位置取りが重要となるため、選手達はUCIランキング順にスタート位置に並ぶ。

山田選手は18人中8番目の位置からのスタートであった。スタート早々有力選手が数名飛び出し、追う展開に。

段々と気温も上がり、レースを降りる選手も出る中で、山田選手は力を振り絞り1時間15分44秒62(+13分02秒38)の9位でフィニッシュした。

優勝はドイツのFelicitas Geiger選手、ランキング上位の選手を振り切る力強い走りであった。

現地では14時から16時にかけて気温がピークに達するため、暑さとの戦いもハードなレースになることが確実であった。
日本チームの中では先日行われた全日本選手権のU23において最上位であった上野選手の入賞に期待がかかった。

男子MTB・XCOスタート前 有力選手が前に並ぶ

男子のレースも女子と同様にスタート直後から数名の有力選手が飛び出し、 後続がばらばらと続く展開になるものの、期待のかかる上野選手が5、6番手の好位置で最初のフィーディングゾーンを通過した。

9位に入った上野選手(日本経済大)

今回のコースでは1周回の内に2回、同じゾーンでのフィーディングを行う形式であったため、出走していないロード選手も総出でサポートにあたった。上野選手が9位と健闘し、その他の5名の選手も全員無事完走することができた。

チーム内のランキング上位選手の黒瀬選手(東海大学札幌)

競技結果
1位 Erno Mccrae(ベルギー) 1時間17分04秒

9位 上野蓮(日本経済大学) 1時間24分23秒
13位 穴田玖舟(札幌大学)   1時間27分36秒
14位 江越昇也(桐蔭横浜大学) 1時間28分28秒
15位 松田賢太郎(慶應義塾大学) 1時間29分09秒
16位 黒瀬文也(東海大学札幌) 1時間29分34秒
17位 松本佑太(法政大学)   1時間30分29秒

白馬クリテリウムラウンド2018 &学連新規加盟校(長野大学)

台風の通過が心配された7月28日から29日、幸いにも長野県白馬村では大きな影響がなく、二日間ともレースを開催することができました。
毎年、本レースはClass3選手にとってインカレロード前の昇格ラストチャンス。今年も多くの選手たちが真摯な表情でレースに臨んでいました。

本コラムでは各クラスのフィニッシュシーンと表彰式の様子をダイジェストでお知らせします。
Class1で総合優勝しRCSリーダーの座を維持した孫崎大樹選手(早稲田大学)にはコメントをお願いしました。

また、本レースでは今年度学連新規加盟の長野大学選手が出場していました。こちらもあわせてご紹介します。


■RCS第4戦Class1総合優勝
 孫崎大樹選手(早稲田大学)コメント
2日間ともに優勝し、総合成績優勝を取る予定で挑みましたが、4年間RCSでも何度も戦ってきた野本選手に阻止されてしまいました。2日間総合成績では勝てましたが、とても悔しい気持ちでいっぱいです。 インカレでは負けないよう頑張ります!

第1日目Class1。チャンピオンジャージでレースに臨む孫崎選手(写真中央)

 

  ■第1日目 

Class1

Class2A

Class2B

Class3A

Class3B 

Class3C

Class3D


■第2日目

Class1

Class2A

 

Class2B

Class3A

Class3B

Class3C

Class3D

 

■女子クラス

女子クラスは池田ゆめこ選手(早稲田大学)のみの出走。男子Class3との混走となった。
二日目、強い雨の中を走る池田ゆめこ選手

 

RCSリーダージャージは2日間とも孫崎大樹選手(早稲田大学)が維持

Class1総合第1位の孫崎大樹選手と早稲田大学チーム
Class1総合第2位の野本空選手と明治大学チーム
Class1総合第3位の山本哲央選手と中央大学チーム

■学連新規加盟校(長野大学)

本コラムでは今年度の学連新規加盟校をご紹介していますが、今回は長野大学選手に初めて出会うことができましたのでご紹介します。今年長野大学に入学した橋本嶺登選手です。

1日目出走前に。写真右が長野大学 橋本嶺登選手。

 

表彰式にて。2日目Class3Dで5位に入賞。

 


<編集後記:学連ウォッチャー 深井>
今回は台風接近により開催が危ぶまれましたが幸いにも大きな影響なく開催されました。気候の変動が大きいなか、選手、関係者、応援のみなさまおつかれさまでした。

2日目Class3Dにちょうど雨が強くなり厳しい環境下でのレースとなった。先頭が上欄で紹介した橋本嶺登選手。

白馬会場は個人的にも大好きな場所です。これからも変わらぬ風景に会えますように。
本レースは今年も長野県白馬村の皆様のご理解とご協力で無事開催することができました。ありがとうございました。

[みどころ]世界大学自転車競技選手権

2018年7月31日-8月4日にポルトガル・ブラガで開催される2018世界大学自転車競技選手権(WUC)に日本学生自転車競技連盟は、選手派遣を行い、大会へ臨みます。

大会公式HP(英語サイト):https://wuccycling2018.uminho.pt/
大会公式Instagram:https://www.instagram.com/2018wuccycling/
公式HP大会概要ページ:http://jicf.info/8256/
前回大会の競技結果:http://jicf.info/2009/

世界大学自転車競技選手権とは?
ユニバーシアードなどの主に大学生を対象とした国際競技大会を主催・統括する国際大学スポーツ連盟(Fédération internationale du sport universitaire、略称FISU)が主催する国際競技大会です。


自転車競技はユニバーシアードでも実施競技種目になることが少なく、そういった競技種目で主にユニバーシアードに含まれていない競技を対象として偶数年に開催する国際競技大会が世界大学選手権です。主催は各国際競技連盟が運営を行っています。

2000年以降は開催が増えている
2006年に急遽、開催1ヶ月前に大会情報が周知され、派遣団を編成し、大学日本代表チームを派遣しました。
基本的に偶数年に開催が行われ、最短でも2年ごとの開催になっており、2000年以降は大会開催が増えています。

直近の大会:2016年 第7回大会
フィリピン・タガイタイで開催された第7回大会では、ロードレース競技の他、マウンテンバイクの大会も開催されました。

競技結果はロードレース競技は女子クリテリウムでは樫木祥子選手(駒澤大学)が4位、個人ロードでは男子は伊藤宏人選手(順天堂大学)が9位、女子は斉藤望選手(日本体育大学)が8位となりました。

マウンテンバイク競技ではクロスカントリー・エリミネーター(XCE)では相野田静香選手(松本大学)、クロスカントリー・オリンピック(XCO)では前田公平選手(法政大学)が銅メダルを獲得しました。

JICF情報系サイトofficials
紹介ページ:http://jicf.info/officials/jicf_wuc

今大会のみどころは?
開催種目はロードタイムトライアル、個人ロードレース、MTBクロスカントリー、MTBダウンヒルです。

すでに開催地入りしている大学日本代表メンバー
現地からの情報では開催地のポルトガルのブラガは首都リスボンから北に400km弱、バスで4時間北上したあたりに位置する街でブラガの街の中心には近代的な建物が建ち並ぶものの、見渡すと伝統的な建物がうかがえるような町並みだそうです。

大学日本代表チームの様子は積極的に他国の大学生選手とコミニュケーションを取ろうとする様子があり、工具や空気入れを他大学チームに貸したり、ロードチームはチェコの代表チームと一緒にコース試走に行き英語での意思疎通を行いながら交流を深めているそうです。

大学生選手の国際競技大会ということで、毎回、他チームの戦力の状況がわからない中でも開催国のポルトガルや強豪国のオーストラリアチームなどが有力なチームといえます。

大学日本代表チームの注目選手
タイムトライアルは学連でも存在感のある石原選手(順天堂大学)が男子個人TTに出走します。
ロードレースでは例年、チームごとの連携がうまく取られず、強力な選手が逃げきってしまう展開が多いため、個々の能力が試させる展開が予想されます。
積極的な逃げを持ち味とする冨尾選手(鹿屋体育大学)などに期待があつまります。

女子ロードも国際大会でのレース経験もある福田選手(慶應義塾大学)、中井選手(鹿屋体育大学)が積極的にレースをすすめることで、メダルが期待されます。

MTBの選手たちも、前回大会ではメダルを獲得しており、今大会もメダルが期待されます。お互いのレース以外のサポートに入り交流を図りながら、大学生として良い経験を積んできてもらいたいと思います。

レースは31日個人TTよりスタートします!

 

派遣選手一覧

ロード男子
石井駿平 鹿屋体育大学

石原悠希 順天堂大学

川嶋祐輔 中京大学

重満 丈 鹿屋体育大学

冨尾大地 鹿屋体育大学

西尾憲人 明星大学ロード
女子
中井彩子 鹿屋体育大学

福田咲絵 慶應義塾大学

MTB・XCO 男子
穴田玖舟 札幌大学
上野 蓮 日本経済大学
江越昇也 桐蔭横浜大学

黒瀬文也 東海大学札幌キャンパス
松田賢太郎 慶應義塾大学
松本佑太 法政大学
MTB・XCO

女子
山田夕貴 松本大学

 

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[JICF国際トラック]韓国チームインタビュー

JICF国際トラックレースはその名称通り海外からも多くの選手が参加していました。
海外チームのうち韓国から来日の「韓国体育大学」と「蔚山市チーム」にコメントを頂きましたのでご紹介します。


■韓国体育大学

韓国体育大学チームメンバー。写真奥の左から2人目が李ヨンウ監督

韓国体育大学 李ヨンウ監督コメント
今回、今まで経験したこともない暑さもあり、韓国体育大学の選手が思うような成績を残すようなことができなかったことは少し残念でしたが、各選手にとっては日本の大学生や実業団のエリート選手、海外の猛者と相まみえることができたのはよい経験となったと思います。韓国では年間の試合数が少なく、試合の中で経験を積むのが難しいので、こういう機会がもっと増えればと思います。

また、今回の試合を通じて競技以外の部分でも、韓国が見習わないといけない部分が多いと思いました。
学生が大会の運営に参画していること、女子学生のマネージャーが選手をサポートしていること、先輩や部の自転車や部品を大切に使用していることなど、限られた資金の中で様々な工夫をして大会運営が行われていること、自発的にかつ規律正しく部の運営が行われていることは非常に参考になったと同時に、うらやましくも思いました。日本と韓国では、スポーツに対する考え方やシステム、大会の参加者数や競技人口も違うので単純にどちらがよいかを比較することはできませんが、よいところはこれからも貪欲に吸収していきたいです。

私は韓国大学自転車連盟の会長も兼任していますが、「日本で感じたこと、日本のよいところを韓国での大会に活かす」という宿題が課されたと感じています。実は、2年前に終了した日韓対抗戦を将来的に復活させることを模索しているのですが、お互いに切磋琢磨しながら両国の競技力の向上につなげるような大会にできればと考えていますし、韓国で開催する際には、精一杯のおもてなしができればと思います。

機会があればまた参加させていただきたいと思います。最後になりますが、本大会の開催のために様々なご尽力をいただいた皆様に改めて感謝いたします。ありがとうございました。

マディソン決勝に出場中のLEE Hong Jun選手&KIM Dong Min選手(韓国体育大学)
1kmTTに出場中のPARK Sung Min選手(韓国体育大学)


■蔚山市チーム

蔚山市チームメンバー

蔚山市チーム 朴イルチャン監督コメント
まず、日本学生自転車競技連盟の皆様、今回は本当にお世話になりました。
限られたリソースの中で試合の事前準備から運営までご苦労が多かったと思います。
雨続きの天候や猛暑もあり、この試合に向けてのコンディション調整は難しかったですが、長野での一週間は私にとっても、そして選手たちにも良い経験になりました。
普段私たちは韓国内の実業団レースに参加しているので、日本の学生選手や実業団の選手と走れたことは新鮮でしたし、世界的に知られている有名な選手の走りを間近で見ることができたのは本当によかったと思います。
また、美鈴湖のバンクですが、あのような高地にある自転車競技場は韓国にはなく、非常にスピードに乗りやすく、とくにタイム系の種目で好記録が狙える競技場だと思いました。
今後も日本で行われる競技については、Japan Track Cupなど多くあるので、機会が合えば積極的に参加することで一つ一つ経験を積み上げ、それが日韓の選手がよい意味で切磋琢磨することにつながればと考えています。


■1kmTT 第3位 KIM JI HUN選手

KIM JI HUN選手コメント
ほかのチームよりも早目に松本入りしたのですが、天候に恵まれず思うように乗り込めなかったので、調整が難しかったです。
その状況の中で自分なりに最善を尽くし表彰台に乗ることはできたので、自分としては最低限の仕事はできたと思っています。ただ上位2人は本当に強すぎましたね。
私自身、国際試合の経験は多くあるのですが、大学生の自転車選手がこれだけ多くいることに驚きました。大会役員のサポートも非常に献身的で素晴らしかったですし、貴重な経験をさせていただきました。今後も機会があれば参加できればと思います。

1kmTT表彰式にて。写真右側がKIM JI HUN選手

<編集後記:学連ウォッチャー 深井>
本記事は韓国に造詣の深い学連理事 井上武夫様より両チームにコメントをお願いし、寄稿頂いたものです。
コメントの日本語訳とトップに表示される画像作成(↑こちら)は井上様に対応いただきました。

2018全日本学生選手権オムニアム学連優勝選手

7月14~15日、長野県松本市美鈴湖自転車競技場で開催されたレースはJICF国際トラックカップ&全日本学生選手権オムニアム、更にはTRS第3戦を兼ねたものとなっていました。
全日本学生選手権オムニアムについて、現学連登記選手で最上位となった男女2選手にコメントをもらいましたので紹介します。

なおJICF国際トラックカップのレース総括は学連 三宅秀一郎様寄稿のレポートをご参照ください。
http://jicf.info/officials/5231

全日本学生選手権オムニアム表彰式(男子学連選手の部)
全日本学生選手権オムニアム表彰式(女子学連選手の部)

■男子優勝
安彦統賀選手
コメント
今回の大会では国内外で強い選手が出場しており予選を通過することすら厳しかったのですが、強い選手相手に積極的に仕掛けることができたのでこのような結果になれたのだと思います。
しかし、まだまだ上位の選手との力の差は大きくあるので練習して縮めていけるように頑張ります。

ポイントレース後半、先頭集団に残る学連選手は安彦選手のみという状態が続いた。

 

レース外ではいつも気さくな笑顔を見せてくれる日本体育大学メンバー。

■女子優勝
古山稀絵選手コメント
今年度に入ってからあまり参加できていなかった学連のレースは、灼熱の太陽の下、暑さに負けないくらい楽しむことができました。
今大会のちょうど1週間前に行われたジャパントラックカップでは思うように走ることができなかったので、今回学連選手で優勝できたことを嬉しく思います。
いよいよインカレに向けてラストスパートとなります。日体大らしい元気な走りができるように頑張っていきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します!

ポイントレースにてアタックをかけ後方から一気に先頭に出た古山選手(写真最左)

2018全日本学生選手権オムニアム学連優勝は男女とも日本体育大学が獲得した。

<編集後記:学連ウォッチャー深井>
ちなみにオムニアム女子の総合優勝は橋本優弥選手(鹿屋体育大学)です。橋本選手は今年度は学連登記をしておらず、学連総合優勝は古山選手となっています。

レース後に橋本選手と2ショット。

本レースが開催された週末は全国的に暑さが話題となった日でもありました。海抜1100mの高地である美鈴湖自転車競技場も昼間はとても暑い状態となりました。選手、関係者、観戦のみなさまおつかれさまでした。

[レースレポート]JICF International Track Cup 5th Edition 第5回JICF国際トラックカップ

表記大会が2018年7月14・15日、長野県松本市の美鈴湖自転車競技場において行われた。この大会はUCIクラス2のトラック競技大会であり、上位者にはUCIランキングポイントが付与される。日本の学生競技者の強化策の一つとして・かつ全日本学生選手権オムニアムを兼ねた日本学生自転車競技連盟が主管する低予算大会にも拘らず、国外選手約40名・総勢200名に上る選手が参加した。

 

女子200mでアジア記録・1分00秒台の男子1㎞TTなど高次元の戦い。

女子スプリントで優勝した香港のLee Wai Sze選手は、予選200mフライングでアジア記録である10“571をマーク。

200mFTTフィニッシュを迎えるLee Wai Sze選手

 

また1㎞TTではオランダのBuchli選手が1‘00“581、Bos選手が1’00”847という素晴らしいスピードを観客や学生参加者に披露してくれた。

1kmTT中のBÜCHLI Matthijs選手
1kmTT中のBOS Theo選手

 

Bosはケイリン予選でも最後の200mを9“97。1/2決勝ではこのBosと競って日本大学の中島選手が1位となった。3位以上が決勝に進むためそのまま順位通りの評価にはならないが中島選手の挑戦的な走りは観客から喝さいを浴びることとなった。

ケイリン1/2決勝でトップフィニッシュする中島詩音選手(日本大学)

 

男子スプリントは新田選手が優勝、予選の200mが10”044とこれも好記録であった。

スプリント1-2位決定戦で連勝し優勝を決めた新田祐大選手

 

最多表彰台の橋本英也選手
2日間のうちにマディソン2位、オムニアム2位、ケイリン3位を獲得した。中でも2日目はオムニアムの合間に1㎞TT,ケイリン1/2と決勝を合間無く、また、どのレースにおいても積極的に先頭を走り上位を獲得した。大会前日まで競輪に出場していたと聞いてさらに驚かされた。

多くのレースで上位を獲得した橋本英也選手(写真はマディソン決勝戦)

世界でもトップレベルの選手の参加により、高いスピードの見ごたえのある競技となるとともに大学生選手にとって良い刺激となった。

日本学生自転車競技連盟 三宅秀一郎

写真撮影:深井文浩