RCS第7戦 東海道どまん中 袋井ラウンド

9月24日、静岡県小笠山総合運動公園エコパにてRCS第7戦が開催されました。

学連レースとしては初会場となる「小笠山総合運動公園(通称エコパ)」は約270ha(東京ドーム58個分)の広大な面積を誇り、1周約4kmのコースも敷地内で十分確保できています。ただし基本的には小笠山の一部ですから平地でなくアップダウンがあり、鋭角カーブや道幅が狭い部分もあります。
選手達は初めて走るコースの様子を見極めながら果敢にチャレンジしていました。
コース図はこちら(大会要項へのリンク)

広大な小笠山運動公園内を走る。後方に見える2本の道もコースとなっている。
5万8千人を収容できるエコパスタジアムを周回し、園内の遊歩道へ向かう。

今回は開催時期の影響などもありRCSとしてはやや少なめの100名弱がエントリー。Class3の2組とClass1+2統合の合計3レースが行われました。
Class1+2で優勝した渡邉慶太選手(明治大学)はRCS第6戦でも2位入賞しており、本レースの結果、RCS総合第2位に躍進しました。
今回記事では渡邉さんはじめ各レース昇格選手と、けいはんなで昇格し本レースに出場していた選手にレースの感想などを聞いてみました。


Class1+2

優勝:渡邉慶太選手(明治大学)


今回のコースは名前のとおりクリテリウムで全くの平地コースだと思っていたのですが実際走ってみると登りがありアップダウンと細かいコーナーの連続で苦戦しました。
立教大の橘田さんと何度かに逃げにトライしてみましたが風が強く思うように逃げられませんでした。

終盤にいちど決まった3人の逃げ(写真はラスト2周時)

終盤に立教大 橘田さんと信州大 小林さんと自分で逃げが決まったのですがゴール前800mで捕まってしまい、それからは慶応大の選手のアタックに反応したところ二人で集団から少し抜け出したのでラスト400mで自分からアタックし逃げ切る事が出来ました。
まだRCSは続くので一戦一戦大事に走りたいと思います。

フィニッシュ前ストレートで小林選手と共に集団から少し抜け出すことができ、逃げ切って優勝を決めた。


小林弘幸選手(信州大学) ※クラス1昇格

信州大学から多くの選手が参加。小林選手は右より二人目。

大学から競技を始めて1年半でクラス1まで来ることができました。今まで支えてくれた両親、チームメイトには感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、今回のレース内容はあまりよくないものだったと思うのでオフシーズンの間にもっともっと乗り込んで次の大会ではクラス1として恥ずかしくないような走りをしたいと思います。

レースを終えてチームメイトと。

■クラス3A

優勝:島田柊生選手(明星大学) ※クラス2昇格
今回の袋井クリテリウムでなんとしてもクラス2に昇格するという目標があったので、それが達成できて良かったです。
ゴール後は自分のポイントが何位なのかわからず不安でしたが、なんとか優勝できました。
今年度までにクラス1に昇格することが目標なので頑張りたいと思います!

レース中盤、集団内の島田選手
レース後にチームメイトと。

第2位 大庭正汰選手(筑波大学) ※クラス2昇格

今回の試合は、盲腸やって約一ヶ月後のレースと不安はありましたが、これまで積んできた練習や様々な方々のおかげで昇格することができました。メインはトラックですが、ロードでもクラス2で走れることは光栄なことなので、クラス2の名に恥じぬ走りができるようこれからも練習を頑張っていきたいです。

昇格を果たし来賓より祝福を受ける大庭選手。

■クラス3B

優勝:小堀陽人選手(順天堂大学) ※クラス2昇格 
袋井のレースを走った感想としては、試走の段階で登りと下りしかないようなコースだったので自分は少し苦手かなという印象でした。
作戦として一周回目のポイントは絶対からんで残り周回のうち2回ポイントにからんで昇格するというプランを考えていました。
ローリング解除後、集団前方から5、6番手に位置していましたが二つ目の登りに入る手前のコーナーでバイクコントロールを失敗して道の端の植物に突っ込み失速し集団のほぼ最後尾になってしまいました。

1周目後半、集団後方より追い上げていく小堀選手。

このままでは何もできずに終わってしまうと思い必死に前をおっかけていた矢先、登り区間で前の転けた選手に突っ込み落車。本当に今日のレースは終わったかもしれないと思いましたが、出せるだけの力を出し切ろうと思い全力で集団を追いました。
そしたら意外と集団のペースも上がっていなかったようで、2周回目の登り区間で集団に追いつくことができました。この時点で集団の選手はかなり減っている感じでした。
3周回の下り区間で1人選手がアタックしたのをチェックして合流し2人で少し回してゴール前の最後のコーナー付近で突き放して1着5ポイントゲット。
これは昇格が狙えるかもしれないと思い、4周回目は集団で待機して最終周回のどこかでアタックして逃げ切ろうと考えました。

4周目後半、集団内で勝機をうかがう小堀選手。写真右は第2位となる堀口選手。

レースのこれまでの傾向としてゴール後の1本目の登りで集団のペースがかなり落ちる感じでしたので、最後の周回の一本目の登り区間で先頭付近に出たタイミングで少しペースを上げて抜け出してみると後ろから追ってくる選手がいなかったのでそのまま行けるところいってやると思いとにかく我慢して全力ペダルを踏みました。
逃げている際に何度か後ろを振り返ったがまだ集団はみえない。これなら行けるかもと思い一切後ろ振り返らずに全力で回しました。
ゴール前の最後のコーナを曲がる前の少し登った区間で後ろが見えた。これなら絶対に行けると思い全力でもがいて逃げ切り1着10ポイントゲット!合計ポイントで1位となり昇格しました。
本当に嬉しいすぎて疲れすぎてゴールパフォーマンスがヘンテコになってしまったのを非常に後悔してます。

「ゴールパフォーマンスがヘンテコになってしまった」と小堀さんが語るフィニッシュシーン(※編集者注1:この写真の前シーン含め、ヘンテコには写っていませんでした笑)

レースで完走すらできなかった頃から練習に付き合って頂いた先輩方のおかげで今の自分があり本当に感謝しかないです。ありがとうございます。これでインカレなど大きな大会にも出場できる権利を得たのでもっともっと練習して強くなって結果を残せるように成長していきたいです。

※編集者注2:小堀さんより「長文になってしまったので部分的に使ってください」とのことでしたが、レース展開などとても興味深い内容ですし全文掲載させていただきました。


堀口源太選手(東京工業大学) ※クラス2昇格

1周目、先頭集団で走る堀口選手。この周を1位通過しポイント獲得。

自分の脚質が短距離寄りなので、序盤にポイントを稼ぎ、ゴールまで脚を溜めようと考えていました。結果的にゴールには絡めませんでしたが、着順で2位に入ることができました。
積極的にアタックしたのでレース中ずっと脚がキツかったですが、皆様の応援に力づけられ、なんとか最後まで走りきれました。応援ありがとうございました。

応援してくれた他校メンバーと一緒に。

■直近のRCS6戦けいはんなで昇格し、本レースに出場した2選手からもお話を聞きました。

嶋田祥選手(立命館大学) ※けいはんなでクラス1昇格


けいはんなで念願のクラス1へ昇格し、袋井ラウンドへ臨みました。
袋井ラウンドもけいはんな同様クラス1,2が混走。24名出走ということとコースレイアウト的に集団でゆっくりのレースになることはなさそうと予想。目標は優勝です。
ライバルは他クラス1の2名立教の橘田さん、明治の渡邊くん。2人ともインカレオムニアムポイントレースで逃げに乗っていて、とても強い。
そしてレーススタート。
レース中渡邊くんがこちらを向いて一緒に逃げたがっている。逃げがなかなか決まらない中、橘田さん渡邊くん含む3人の逃げが決まる。絶対に捕まえたかったので、意地で集団をコントロールし、最終周に追いついた。

ラスト2周時、メイン集団の先頭で逃げ集団を追う嶋田選手

そして渡邊くんがアタックしていったタイミングで自分も飛び出すも、信州、明星も飛び出し、力及ばず。結果完走11名中4位という形で終わりました。
今回、優勝はできませんでしたが逃げを追い続けるという点で成長を感じられました。
日々成長を感じられる走りをこれからもしていきたいと思います。


岩原那央也選手(神戸大学)
※けいはんなで昇格しClass1+2に出場

チームメイトの伊藤守選手(クラス3B 第2位)とともに。

昇格してからまだ1週間、初めてのクラス2ということもあり、大変緊張しましたがなんとか完走することができました。序盤から集団についていくことが精一杯で積極的な動きなど何一つできず、特にレースを動かしていたクラス1の選手との力の差も大きく感じました。またコーナーではいつも差をつけられインターバルを喰らってしまい、集団の中での位置取りなど、技術の面では相当に劣っていることを痛感させられました。

集団内やコーナーでの位置取りなど、上位クラスレースで学ぶことは多かった。写真右が岩原選手。

しかし9位という順位で完走できたこともあり、単純な脚の力ではクラス2の中でもそれなりに戦えるとは思い、今回の結果は自分の自信にもなったことは間違いありません。

フィニッシュ時の岩原選手。初のクラス2レース出場だったが1桁台で完走でき自信もついた。

これからはこの世界で戦っていくので、彼らに負けないよう、まずはクラス2入賞、そしてインカレ上位完走を目指して日々の練習に励んでいきたいですね。

レースを終えての2ショット。

■袋井市様はじめ地元ご支援により成立したレース

本レースは袋井市様の全面協力により開催され、優勝選手には特産のクラウンメロンが贈られました。

袋井市副市長 鈴木茂様より1位選手に贈呈されたクラウンメロン。2位、3位の選手にもメロンゼリーが贈られた。
渡邉慶太選手「とても甘いメロンです!!家族で頂きました!」写真提供:渡邉さん

■メディアへの掲載

本レースは地域からも関心をもっていただき、袋井市広報誌や翌日の地元新聞朝刊で紹介されました。

・広報ふくろい 平成30年9月号) ※事前広報
「全日本学生ロード東海道どまん中袋井ラウンドを開催」

・静岡新聞9月25日朝刊
 「自転車学生選手、袋井走る ロード競技に100人」

・中日新聞9月25日朝刊
「全日本学生ロードレース大会 エコパ」

 


<編集後記:学連ウォッチャー 深井>

オープン参加可能な本レースには近隣の遠江総合高校より田村龍哉選手が参加し地元メディアからも注目されていました。
レース後に印象を聞いたところ「大学生速かったです!」とのこと。おつかれさまでした。

学連選手と一緒に走る田村選手(写真中央)

袋井市様はこれからも学連レースを開催し、コース延長も含め更に大規模な大会を目指したい意向と伺っています。東名高速ICや新幹線駅からもほど近いこのエリア。これからのレース拡張も楽しみです。