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【雨垂れ石を穿つ②慶應義塾大・福田咲絵選手】~東大マネージャーが見た初心者からの挑戦・中編~

学生委員ブログをご覧の皆様、こんにちは。
東京大学自転車部競技班でチームマネージャーを務めております、4年の植田瑞貴と申します。

私が普段書いている東大自転車部の練習日記 http://d.hatena.ne.jp/ut-br/ を読んだ前学生委員長・方山さんからご指名をいただいて、昨年度から始まったこの企画。

これまでの連載はこちらから! 
【雨垂れ石を穿つ①順天堂大・原裕紀選手】-前編-
【雨垂れ石を穿つ②順天堂大・原裕紀選手】-後編-

私の所属する東大が初心者集団であることから、テーマは「大学から自転車競技を始めることについて」。高校以前に競技に触れたことがなかった選手たちは、何を感じ、どうやって上を目指しているのか。いろいろな大学の選手と私との対談形式でお届けしています!

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今回インタビューに応じてくれたのは、慶應義塾大学の3年生で、昨年度インカレ女子ロードレース優勝の戦績を持つ福田 咲絵(ふくだ さえ)選手

福田 咲絵(ふくだ さえ):慶應義塾大学

競技開始:大学1年2月
大学以前の運動歴:水泳、陸上
得意種目:ロードレース
主な戦績:2016インカレ女子ロードレース優勝
前編はこちらから!
【雨垂れ石を穿つ②慶應義塾大・福田咲絵選手】-前編-

中編では練習と初の海外遠征・BIWASE CUPの経験について語ってもらいました。それではぜひご覧ください!

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―最初は実業団スタートだよね。全然実業団のことを知らないんだけど、練習に行って教えてもらうって感じだったの?

福田●いや、クラブチームなんで、指導者がいるっていう感じではないです。強い人にひたすら引きずり回されて(笑)、それにひたすらついていくっていう感じです。これがレースの100倍くらいきついんです(笑)。
本当にきついですけど、自分1人では絶対に出せない強度なので、引きずり回してくれるチームメイトには本当に感謝しています。
あとは、走っているときにいろいろアドバイスをしていただいたり。下りのフォームとかは今もまだ勉強中です(笑)。
そんな感じなので、基本は自分でメニューを組んでやってます。

―組む時はなにを参考にしてるの?

福田●目標にする大会のコースプロフィールと去年の結果をそろえて、勝負所になりそうなところに近いものの反復練習、みたいな感じですね。
あとは、中学高校時代にやってきた陸上とかのメニューを参考にして…陸上では距離でやるんですけど、それを時間換算にしてます。競技は違うけど、体を使うスポーツっていうところは同じじゃないですか。

―その辺は今までの経験が生きてるというか。

福田●陸上の時の練習ノートを見返して一年分くらい全部(データとして)落とすと、自転車やってるときと同じような傾向が出るので。
もちろん中学生のときと今を比べると(体力的に)練習量は全然違うんですけど、冬だったら短い距離より長い距離の練習が多い、とか参考程度に。

―大学生で、選手としてプレーしつつ自分で考えて分析をできる人って、そうそういないと思うよ…!

福田●いやいや(笑)。何も考えずにただ練習に行くだけ、っていうのが、嫌で。とりあえずやればいいって思ってる人も多いですけど、それじゃ強くなれないかなって。時期によって自分が強化したいところを、重点的にやったりしたいんですよね。
…こんなこと言ってると「まだまだ考えてないだろ!」って言われちゃいそう(笑)。
ちなみに機材いじりは大っ嫌いなんです(笑)。

―えっ、そうなの(笑)。ハンドル幅とかのこだわりは?

福田●いや、なんにも…(笑)。たまたまいい自転車で自分に合ってたのかもしれないんですけど、ハンドル幅も、サドルも、何一つ変えてないです。買ったときのそのまんまです。
去年はポジションも何も考えないで乗ってたんです。でも去年レース終わってから、すごく変えました。去年はただ登ることしかできなかったんですけど、今年は平地とかも強化して。
私、変わるっていうことが怖くて。今までうまく走れてたものが、変えることによって走れなくなったらどうしようって恐怖があって、シーズン中はおかしくてもいじらなかったんです。

―それでもシーズンが終わって、もっと強くなるためにやらなきゃ、って?

福田●次に強くなるためにはどうしたらいいかって考えて、じゃあまずポジションいじろう、って思いました。
その次に、去年は全然平地とかアタックとかダメだったので、(その対策として)大嫌いなトラック始めたりとか。苦手克服というか、これじゃダメだな、と思ってたので。

学連TRSや静岡県車連主催のトラックレースにも積極的に参加した (写真は2016年度TRS第5戦 2016.12.3)

福田●あと、練習を記録するってすごく大事だなって思っています。練習を記録することは、後から振り返る時のためになるので。調子が良かったときはこういうことやってたなー、とか、レース前これを食べてたな、とか。
さらにレース前に見返して、これだけやったなら大丈夫っていう精神安定剤にもなりますね。やっぱり練習と自信ってイコールだなってすごく感じています。なので基本は全部自分でメニューを組んで練習してます。

―ちなみに何食べてるの?

福田●えっと、この時間にカフェラテを絶対飲まなきゃダメ、とかジンクスがあったんです。
ただ、今はベトナム遠征でアップできないまま出走したり、食べたいものが食べられるわけでもなかったりしたのを経て、何が起きても動じなくなったというか。
タフになって、何食べても大丈夫なんですけど…(笑)。

―なるほど。ベトナム遠征の影響は大きかったのね(笑)。
(注:2017/3/8-16にベトナム・ホーチミンで行われたBIWASE CUP2017)
初めての国際レース、どうだった?

福田●国内のレースとは全然違いました。国内は体力勝負で、地脚がある人が勝てるレースですよね。集団になることは少ないし、なっても牽ける人も少なくて、お互いにみんな脚質も、得意なことも苦手なこともわかってる。
ですけど、海外はそうじゃないので、すごく頭を使いました。それに速度も速くて、120kmのレースでアベレージ40何km/hとかで。国内の男子のレースよりも速いくらいで、最初の1時間とか2時間はアタック合戦がずーっと続いてました。
国内のレースで勝つだけだったらひたすら練習すればいいと思うんですけど、海外のレースで活躍しようと思ったら経験も積まなきゃいけないなって。今回は、「そうじゃない!」って怒られたりもして…(笑)。私は、まだまだって感じです。

―咲絵ちゃんの練習日記は読んでるんだけど、あのレースレポートは読んでて途中で誰がどういう状況なのかよくわからなくなって(笑)。それくらい考えることが多そうだなと思った。
個人的には、レースが終わった後にその詳細を反復できる人は、考えて走ってる人が多いように思ってるんだよね。それをステージレースで毎日やってるんだもんな、すごいなって思ってた。

福田●毎日、次の日は同じことを間違えない、って思ってました。本当に私、不器用なので、いきなり最初からできたりはしないんです(笑)。

―まず国内でもそういうレースができる機会があるといいよね。学連は最近(大学学連登録以外の)女子選手のレース参加者を募集してるし、実際に走ってる身としては女子選手どんどん増えて!って感じ?
(注:女子選手がオープン参加が可能な大会について

精鋭集団もレースが終わり私服に戻れば今風の大学生に変身!(2017.6.4 個人ロードTT会場にて)

福田●そうですね。TRS(トラックレースシリーズ)とかだと、(学連選手だけだと)ポイントレース走ってても人数が少ないので…もっともっと増えて欲しいな、って。

***

大学より前のスポーツ経験と知識を活かすことと、考えて練習することを継続して、迅速に着実に強くなった福田選手。その努力には頭が下がります。
次回は福田選手インタビュー完結の後編。今までの大会についての思い、今後の目標と後輩たちへのアドバイスを聞きました。次回更新にご期待ください!

武山 晃輔(日本大学)

2017/6月:第33回全日本学生選手権個人ロードレース優勝!!

優勝選手コメント:
国体(2016いわて国体成年ロード優勝)でも勝った思い出の地でまた優勝できたのはうれしいです。

チームのメンバーも上位入賞を果たし、日本大学としても良い結果を残すことができました。

ですが、最終周回、京都産業大学の中井選手と飛び出した際、逃げるつもりではなくアタックを潰すつもりで反応したため、ローテーションに協調せず、協調しようと判断するのが遅かった点は反省すべき点だと感じました。

またラスト1kmからローテーションすることなく、残り300mのところで、後ろからスプリントを仕掛けるといった消極的な走りをしてしまったのは恥ずかしい限りです。

残り100m。トップでフィニッシュを迎える武山選手

勝敗のポイントとなったのは、残り11周回から単独で逃げを仕掛けた日本体育大学の齋藤選手が14周回目の終盤で捕まりかけた時、ブリッジしようとした日体大の選手をチェックするよう指示をしてくれた草場先輩のリードがきっかけだと思います。

そのまま先行していたタイミングで、中井選手がアタックしてきたのでそれに反応したという形です。

次のレースは、学連レースではありませんが、全日本ロードが控えています。

コンディションは確実に上がっているので、この調子を落とすことなく試合を迎えたいと思います。

今回のような消極的な走りではなく、積極的な走りで挑みたいと思います!

チームのメンバーも上位入賞を果たし、日本大学としてもいい結果を残すことができた。

これからインカレに向けて、自分もチームもさらにパワーアップしていきます!インカレ総合優勝目指し頑張っていきますので応援よろしくお願いします!

Photo by 米倉朱音(駒澤大学 自転車部)
※フィニッシュ前シーン
Photo by Yuki Tsukamoto(京都産業大学 体育会 自転車競技部)
※表彰式、ページトップ写真
directed by F.Fukai

選手プロフィール
武山 晃輔 たけやま こうすけ 
日本大学2年/山梨県立甲府工業高等学校

主な戦績
2017 全日本学生選手権個人ロード 優勝
2016 RCS第8戦行田ラウンド クラス1 3位
2016 岩手国体ロードレース 成年男子 優勝
2015 全日本選手権ロード Jr.カテゴリ 3位

 


2016/11月:RCSクラス1在籍の1年生選手紹介

Q:大学生になって初めてのシーズンですが、学連レースの印象は?
高校時代と比べるとレベルが高いことを実感しています。
1番の違いはアタックや逃げなどの展開作りを作り出す事に積極的な選手がおおいと感じる点です。

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Class1で2位入賞したRCS第8戦 浮城のまち行田ラウンド(2016.11.13)

Q:今シーズン印象に残っているRCSのレースは?
RCS第3戦大町美麻ラウンドです。同じ日本大学の先輩である岡本隼選手と逃げ集団を形成しました。そこからまた岡本選手が逃げ出したので、自分は集団で休みゴールスプリントすることができました。岡本選手はこのシリーズで優勝を飾りました。
自分としては自分自身が満足行く走りではなかったですが、チームで走るという事を実感できた印象的なレースの一つです。

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RCS第3戦大町美麻ラウンド 4位でフィニッシュする武山選手

 

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RCS第3戦大町美麻ラウンド 優勝の岡本隼選手とともに。

RCSを含む学連全体のレースの印象としては勝つべき人が勝っているなということを感じています。自分から積極的に行かなければ、上位に入り込むことはできません。

Q:平日は大学ではどんな練習を行っていますか?
朝練はロード練習を2-3時間程度、午後は施設内でパワーマックス や補強メニューなどを1時間程度行っています。 

Q:チームで一押しの同級生は?
貝原涼太選手 ポイントレースなどを走る際の回復力の高さや集団走行が苦手なため、逃げを積極的にするところなど非常に見応えがあります。
平崎雄也選手 このシーズンで確実にレベルアップしています。オフトレーニングが始まり、身体つきもよくなっているので、来シーズンはいい走りをたくさんみせてくれると思います!

Q:他大学の選手と交流は?
日本体育大学の山下祥平選手、安田開選手や鹿屋体育大学 冨尾大地選手などです。

Q:来年、入学している高校生に何かアドバイスは?
オフシーズンのトレーニングも大切だけど、練習を全くしない期間を作ってみたほうがいいと感じています。そして、大学に行くまでにはしっかりと練習を継続していくことが大切です。

Q:最後に一言メッセージを
いつも応援ありがとうございます。今年一年は年間通して安定した走りができませんでした。このオフシーズンのトレーニングをしっかりこなし、今まで以上にパワーアップして、様々なレースで活躍できるように頑張っていきます。これからもよろしくお願いします。

選手プロフィール
武山 晃輔 たけやま こうすけ 
日本大学1年/山梨県立甲府工業高等学校

主な戦績
2016 岩手国体ロードレース 成年男子 優勝
2015 全日本選手権ロード Jr.カテゴリ 3位

 

谷伊央里(日本体育大学)

2017/6月:第33回全日本学生選手権個人ロードレース大会優勝!

優勝者コメント:学生選手権個人ロード初タイトル獲得!!
素直に嬉しいです。
特にロードの大会は1年生の時から優勝を目指してやってきて、2位や4位など、いつも悔しい順位が多く、昨年は故障していて順位も付かない事があったので、今回大学競技生活最後の年にこういった大きな大会で優勝できた事は今までで1番嬉しかったです!

今回は福田さんが優勝候補に挙がっていたので自分は動かず福田さんマークで走っていました。

コース的には自分には不向きではありましたが、最後まで力を温存して、ラストでしっかりスプリント出来たのが勝因だと思っています。

写真中央が福田咲絵選手(慶應義塾大学)、右側は第2位の菅原朱音選手(八戸学院大学)

次は全日本ロードがあります。
全日本ロードにはプロの方も出てくるので、その方々にどこまで今持っている自分の力が通用するのか、今自分がどのレベルにいるのかを確認できる大きな大会なので、しっかり調整して臨みたいと思います。
また、そこでの学連登録者のみで自分がどこにいるのか確認をして、学生最後のインカレまでの練習を工夫したいです。

西加南子選手(LUMINARIA)を僅差でかわしてトップでフィニッシュ

最後に監督、両親、沿道の方々、後輩達。
皆さんのサポートと応援が無かったら自分は優勝できなかったと思います。本当にありがとうございました。
インカレまで残り少ない期間ですが、これからもよろしくお願いします!

Photo by 植田瑞貴(東京大学自転車部競技班)

選手プロフィール 
谷伊央里 たにいおり 
日本体育大学4年/前橋育英高校(群馬県)
主な戦績 
2016WUC(世界大学選手権)大学日本代表メンバー 
2016修善寺オープンロード 3位 
2015学生選手権個人ロード 3位 
2015インカレロードレース 2位

2016/3月:WUC(世界大学選手権)大学日本代表選出!
今シーズン女子ロードランキング3位の谷選手(日体大)。学生選手権個人ロード3位、2015インカレ2位と着実に順位をあげてきています。女子チームランキングも先輩である齋藤選手(日体大)とともにポイントを稼ぎ、チームランキング1位を勝ち取りました。

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選手コメント
2015シーズンは全体を通してあまり良くなかったですがインカレ個人ロードで2位に入賞出来たことが印象的です。今まで大きい大会で成績を出せたことがなかったのでとても嬉しかったです。来シーズンは今年の成績に満足する事なくやっていきたいと思っています。
WUCは選ばれるか不安だったので今はとても嬉しく思っています。選ばれたからには全力で取り組んでいい成績を出せるように頑張りたいです。 初めての海外のレースなのでどんな感じか分からず不安ではありますが、国際的な雰囲気を楽しみつつ積極的なレースをしていきたいと思っています。 今までずっと支えてくれている両親に感謝して、その気持ちに応えられるように頑張りたいと思いますので、どうぞ応援宜しくお願い致します。

選手プロフィール
谷伊央里 たにいおり 
日本体育大学2年/前橋育英高校

主な戦績
2015学生選手権個人ロード 3位
2015インカレロードレース 2位

【みどころ】全日本学生選手権個人ロード

JICFシーズン序盤のロードチャンピオン決定戦!
今週末、6月10-11日(土・日)は第33回全日本学生選手権個人ロードレース大会!!が開催されます。

第33回全日本学生選手権個人ロードレース大会 大会概要ページ:http://jicf.info/5944/

近年、 長野県木曽郡木祖村奥木曽湖周回コースで開催されていた個人ロードは今大会は岩手県紫波町公道周回コース1周 9.4 kmサーキット(スタート・フィニッシュは佐比内サイクルパーク)で行われます。

岩手県紫波町・佐比内サイクルパーク公道周回コース

女子 94 km(9.4 km×10 周)、男子 141 km(9.4 km×15 周) の個人ロードレースです!

【女子注目選手紹介】

福田選手(慶應義塾大学/2016年度大会4位)

選手メッセージ:昨年の個人ロードは、最後の最後にパンクしてしまい勝負に加われないという悔しい思いをしました。 今年は勝って笑顔で終われるように頑張ります!そして良い形で2週間後の全日本に繋げたいと思います。 応援よろしくお願い致します。

中井彩子選手(鹿屋体育大学/2016年度大会5位)

中井選手からのメッセージ:私はケガで出走しませんが、他に2名エントリーしています。 スプリントのある神宮クリテリウム3位の高田奈生(4年)と、先日個人TTでノーマルバイクながら4位に入った西森彩良々(3年)です。 今までアシストだった2人。 今回は「自分の為」に走ります。 みなさま応援よろしくお願いいたします! 私はサポートを頑張ります!

古山選手(日本体育大学/2016年度大会6位)

選手メッセージ:今年の個人ロードは去年とコースが変わり、まだ一度も走ったことのないコースなので少し楽しみです。 女子のロードでここまで距離が長い大会は本当に少ないので、距離に負けないように頑張りたいと思います。 自分の持ち味を活かせるような走りをしたいです。 応援よろしくお願いします!

【男子注目選手紹介】

孫崎選手(早稲田大学/2017ツアー・オブ・ジャパンナショナルチームメンバー)

選手メッセージ:1年、2年と入賞はできてるものの、優勝、表彰台には遠のいています。 今年こそは入賞ではなく、優勝できるように頑張ります!

中川選手(早稲田大学/2016インカレロード3位)

こんにちは。今週末は全日本学生選手権個人ロードレース大会が開催されます。このレースは学連のレースの中でもインカレに並ぶ、格式高いレースです。また、このレースでツールド北海道の出場校が決まるため、各選手、ベストコンディションに近い仕上がりで、熱いレース展開になることが予想されます。そんな中で、自分自身も熱い走りをしたいと思います。応援よろしくお願いいたします!

草場選手
(日本大学/2017全日本学生選手権クリテリウム優勝)

選手メッセージ:こんにちは。 日本大学3年の草場啓吾です。 今回、個人戦ロードはインカレの前哨戦とも言える大会で、今年のツール・ド・北海道もかかっています。 コースも変更になり、距離も短くなったため、ハイペースが予想されますが、万全の準備をして来ましたので、見ている方々にいいパフォーマンスをお見せできると思います。岩手県と少し関東圏から離れていますが、足を運んで頂けたら嬉しいです。 よろしくお願いします!

武山選手(日本大学/2016いわて国体成年ロード優勝)

選手メッセージ:今回の個人ロードは、ツールド北海道出場にも関わる大切なレースです。今回のレースは修善寺オープンロードへのエントリーのなかった強豪校、強豪選手のエントリーがあるため非常にレベルの高いレースになると思います。レースの空気感にのまれることなく、積極的に動き入賞狙いで頑張ります!応援よろしくお願いします!

中井選手(京都産業大学/2016チャンレンジロードA-U優勝)

選手メッセージ:この大会の結果ででツール・ド・北海道の出場権を取ることが出来るのでチームとしても上位に入りたいです。 個人としては優勝目指して頑張ります!

岡部選手(日本体育大学/2017RCSランキング2位)

今年はRCSチャンピオンを狙って走ってます。序盤戦は予定以上にポイントを取れているので後半逆転を狙っていきます。 個人戦ですが過去二回落車やパンクと、悪い思い出しかないのでここで断ち切りたいと思います。 応援宜しくお願いします。

尾形選手(中央大学/2017チャレンジロードA-U優勝)

明日(6/11)行われる、学生選手権では各校の強豪が揃うのでレベルの高い戦いとなりますが、先週行われた、チームTTで先輩方が良い流れを作って下さったので、私もそれに続けるようベストを尽くして頑張ります。宜しくお願いします。

佐藤選手(法政大学/2017RCSランキング3位)

選手メッセージ:個人戦は3回目になりますが今まで良いとこ無しなので今回は上を目指して頑張っていきたいです。応援よろしくお願いします!

冨尾選手(鹿屋体育大学/2016学生選手権個人ロード15位)

選手メッセージ:今回は黒枝・山本のWエースが不在での戦いとなりますが後手に回らず、いつも通り鹿屋らしい攻めの走りでレースを動かしていきたいと思っています。 一人一人が自分のやるべき仕事をして、表彰台を鹿屋で独占できるように頑張るので、応援よろしくお願いします!

岡本選手(日本大学/2017アジア選手権U23ロード優勝/2016学生選手権個人ロード7位)

選手メッセージ:このレースではまだ勝ててないので最後の年ということもあり是が非でも勝ちたい。 レース全体のレベルが上がるようなキツイレースがしたい。

野本選手(明治大学/2017RCSランキング1位/2016学生選手権個人ロード4位)

選手メッセージ:明治大学3年の野本空です。 今年は昨年のコースとは変わって平坦基調のコースになるため苦手意識はありますが、高校時代は自称『伊予のスプリンター』を名乗って来たので優勝目指して頑張ります!!

松本選手(明治大学/2016学生選手権個人ロード3位)

選手メッセージ:こんにちは。明治大学松本祐典です。今年は学生最後の個人ロードです。一昨年3位、去年3位ときているので今年こそは優勝! といいたいところですが、就職活動などもあり、あまり練習できずにいます。厳しいレースになると感じますが、ベストを尽くしたいと思います。よろしくお願いいたします。

安田選手(京都産業大学/学生選手権個人ロード2位)

選手メッセージ:学生最後の学生選手権ということもあって、優勝という結果を狙いにいきたいです。また、チームメイトも非常に強力なメンバーが揃っており、チームでツールド北海道の出場枠をしっかりと獲りたいと思います。

Photo by F.Fukai

【雨垂れ石を穿つ②慶應義塾大・福田咲絵選手】~東大マネージャーが見た初心者からの挑戦・前編~

お久しぶりです。
東京大学自転車部競技班でチームマネージャーを務めております、4年の植田瑞貴と申します。

私が普段書いている東大自転車部の練習日記 http://d.hatena.ne.jp/ut-br/ を読んだ前学生委員長・方山さんからご指名をいただいて、昨年度から始まったこの企画。

これまでの連載はこちらから! 
【雨垂れ石を穿つ①順天堂大・原裕紀選手】-前編-
【雨垂れ石を穿つ①順天堂大・原裕紀選手】-後編-

私の所属する東大が初心者集団であることから、テーマは「大学から自転車競技を始めることについて」。
高校以前に競技に触れたことがなかった選手たちは、何を感じ、どうやって上を目指しているのか。いろいろな大学の選手と私との対談形式でお届けしています!

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今回インタビューに応じてくれたのは、慶應義塾大学の3年生で、昨年度インカレ女子ロードレース優勝の戦績を持つ福田 咲絵(ふくだ さえ)選手

福田 咲絵(ふくだ さえ):慶應義塾大学

競技開始:大学1年2月
大学以前の運動歴:水泳、陸上
得意種目:ロードレース
主な戦績:2016インカレ女子ロードレース優勝

学連デビューは2016年5月の修善寺オープンロードレース大会。
学連レース初出場ながら、1位の昨年度インカレ・個人ロード覇者の樫木祥子選手(学連OG)からたった2秒遅れの2位。

その3か月後の8月には、なんとインカレ女子ロードレースを制覇。序盤から前を引き続け、ラスト30kmは単独逃げ。ペースを緩めることなくゴールへ。競技を始めて半年とは到底思えない圧倒的な強さで、大きな話題となりました。

単独で逃げを決める福田選手(2016年インカレにて)
インカレ初出場で初優勝をはたした(2016.8)

 

3月にはBIWASE CUP出場のため日本チームとしてベトナムに遠征。アシストとしてチームメイトの唐見実世子選手の総合首位を守りつつ、個人総合成績3位を獲得する快挙を達成したことも記憶に新しい福田選手。

この遠征からの帰国後、話を聞くことができました。それではぜひご覧ください!

***

―咲絵ちゃんは一番最初にサークルでサイクリングをしてたんだよね。始めたのはなんでだったの?

福田●高校までは勉強と部活、行事しかできなくって、忙しすぎて旅行とかも一切行けなかったので、旅したいなーって思っていて。ただ旅するよりも、体力も鍛えてきたから自分の力で旅したいな、っていうのと、その方が達成感があるな、っていう思いがあって。サイクリングサークルの新歓に行ったら楽しくて…風切る感じが!それで、入っちゃいましたね。

―それで気づいたら追い込む感じになってた、みたいな…(笑)。

福田●綺麗な景色を見ることが好きなので、おのずと山に登ることになって。
(走力が)上の班に行くといっぱい走れるから、いっぱい綺麗な景色が見られるんですよ。

―ああ、班分けがされてて、その上の班に行きたい!ってなったのか。

福田●はい。速い先輩たちについていきたくって最初は無理してたんですけど(笑)、必死についていってる間にだんだん走れるようになってきて。
最初はサークルの週一回くらいの活動だけだったんですけど、夏過ぎたくらいから物足りなくなっちゃって(笑)。毎月自分で一人で旅行を企画して、四国一周したり、各地の島を回ったり、そんなのをやってました。

そのうちホビーレースにいくつか出てる先輩から、「実業団チームの本拠地みたいなところに行ってみない?」って誘われて、「あっじゃあ行きます!」って興味本位で行っちゃったんです(笑)。
けど、練習会で、もう五秒くらいで千切れちゃって。やっぱり競技とサイクリングは全く別物で…でも千切れたり、負けたりするのがすごく悔しかった。ただの負けず嫌いですね(笑)
そこで「(競技を)やるか?」って言われて「やります」って。「女子選手は少ないし、ホビーレースでやるよりも実業団登録しな」ってアドバイスをもらって、その日に登録しちゃいました

―もういきなり登録したんだね(笑)。それで部に入る前に実業団で一か月くらいやってたんだっけ。

福田●はい。去年の二月くらいに実業団の練習に初めて行ったんですよ。その時に、ちょうど樫木さん(樫木祥子選手。駒澤大学OG、現AVENTURA AIKO VICTORIA RACING所属)がその練習会にゲストで来てて、「(大学チームに所属して)学連でも走りなよ!」って(誘われて)。
部に入るかはすごい迷ったんですけど…でも、話を聞いてて、インカレに出たい、私もインカレで勝ちたい、っていう思いが強くなったんです。
ただ、私の中では「体育会」っていうと毎日拘束されて、他の事できないんじゃないかなって思っていて、ハードルが高かったです。高校まで部活と勉強に縛られてたのを、大学では留学したりとか、バイトしたりとか、いままでできなかったことをやろうと思ってたので。

―それができなくなっちゃうのは、嫌だなあと。

福田●はい…あと女子選手がいないっていうのも不安で、実業団だけでもいいかなって思ったんです。だけど、インカレで勝ちたいっていうのと、実業団の練習が週一回だけだったので、(入部したら)もっと練習回数も増えて強くなれるかなっていうのもあって、入部することにしました。

―自転車部に入ったのはいつなんだっけ?

福田●一年の三月、中旬くらいだっけ…?神宮(明治神宮外苑クリテリウム)のころで。去年神宮を見に行って部員みんなに挨拶したって感じです。「初めまして、来年ここで走ります、頑張ります!」って。でも結局出られなかった…(笑)。
(注:今年度の明治神宮外苑クリテリウムの日、福田選手はBIWASE CUP出場のためベトナムに遠征していた)

―あはは(笑)。
いろんな選手を見てて、自転車を楽しめることって根本として結構大事なのかな、と思うんだよね。落車とかすることもあって、そうすると練習できなくなって、しばらくは弱くなっちゃうじゃん。そこで嫌になっちゃう人とかも結構いる気がするので…競技関係なく自転車続けられるかどうか、みたいなところは、あるかなって。
レースとサイクリング、どっちが好き、とか楽しい、みたいなのってあるの?それはもう別物?

福田●両方楽しいです。もともとサイクリングから始めたのもあって、自転車に乗ることそのものが好きなので。
将来は、またサイクリングしたいなって思ってます。老後でも、サイクリングは時間とお金があればできると思うんです。でも、競技はやっぱり体力も環境も必要だから、今しかできないのかなって思って、じゃあ今しかできないことを全力でやろうと思って。大学のサポートがある今だからやりやすいので。

―慶應はもともと女子選手がいたことがあるわけではないのかな?入部するって言ったときはスムーズに入れたの?

福田●快く迎えてもらいました。一応(女子選手が)むかーしにいたことはあって、あとは留学生で短期で来ていた人がいた、みたいなことはあったみたいです。

―自転車は、特にロードなんかは持久系のスポーツだから、特に一人だと練習を継続していくのが結構つらいっていう話はいろんな選手から聞くんだけど、咲絵ちゃんはそんなことない…?練習ブログ見てるとかなりの量練習してるよね(笑)。

福田●うーん…、練習はもちろんきついです。試合より何倍も、何十倍も(笑)?
けど、練習でできないことが試合でできるわけはないし、試合で負けるのが1番嫌なので(笑)
水泳や陸上はゴールまでに全ての力を出し切る競技だけど、ロードはいかに脚を勝負どころまで溜めて勝負できるかなので、そこが1番水泳や陸上と違うところだなーって思います。
まあ、そこが難しくて、ロードの面白い部分でもあると思います。

―やっぱりきついスポーツではあるけど(笑)、新しい競技を大学で始めようと思ったとき、自転車っていう選択肢は結構いいと思うんだよね。
だけど、女子選手で初心者で始めて強くなるっていう人はそんなに多くない…。女子の競技者人口が少ないのはなんでなんだろうね。

福田●危険を伴うスポーツだっていうのと、足が太くなるっていうイメージが強いのと(笑)、…競技人口が少ないから、一人で練習することが多くなる、っていうのもありますかね。
あとは女子の方が選べるウェアとか、自転車とかが少ないっていうのも。私は背は159cmで、普通に乗れるんですけど。

―あ、咲絵ちゃんが乗ってるフレームってFocusだったよね。ミントグリーンの。あれ可愛いよね…!

福田●ありがとうございます!

他の選手で、あんまり(自転車の見た目を)気にしない人もいっぱいいますけど、私はそういうの結構こだわってます。シューズのバックルの色とかも変えてます(笑)。

―バーテープもピンクだったよね。可愛い。

福田●そうなんです。みんなに(カラーリングが)おもちゃみたいって言われて、おもちゃ屋さんで売ってるでしょって言われたりもするんですけど(笑)。
私はやっぱり好きなのじゃないと続かないかな、っていうのがあって。楽しんでます。

自転車や装備のカラーリングにもこだわる(木祖村個人ロードにて 2016.7)

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まずは自転車を始めたきっかけと自転車への愛着を語ってくれた福田選手。中編では練習と初の海外遠征・BIWASE CUPの経験について語ってもらいました。次回更新をお待ちください!

【西日本学連NEWS】第19回ツール・ド・熊野!

学連レースを愛する皆様、こんにちは!いつも大変お世話になっております。西日本学連事務局の中の人です。

今回、2017年6月1~4日にかけて三重県熊野古道を舞台に「ツール・ド・熊野」(大会公式HP:http://www.nspk.net/tdk/)が開催されます!
学連レースとは異なりますが、西日本学連加盟校の選手から西日本学連選抜チーム、AACA選抜チームの2チームがレースに出場します!
出場する選手をご紹介したいと思います!!

 

出場選手紹介

【西日本学連選抜チーム】

小川選手(大阪産業大学)画像に含まれている可能性があるもの:1人

 

栗田選手(大阪経済大学)

小畠選手 (同志社大学)画像に含まれている可能性があるもの:1人、サイクリング、自転車、屋外

 

北野選手 (立命館大学)画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、靴、屋外

 

溝口選手 (京都産業大学)

 

藤田選手 (京都産業大学)

【AACA選抜チーム】

吉岡選手(立命館大学)画像に含まれている可能性があるもの:3人

 

川嶋選手(中京大学)

 

佐藤選手(中京大学) ※写真中央

AACA選抜に出場予定の他2名は愛知県の実業団チーム所属の方と聞いています。

 

厳しい4日間が6月1日から開幕します。アジアのトッププロの胸を借りるつもりで出場選手は全力を出しきりペダルを極限まで回し頑張りますので応援宜しくお願い致します!

なお、現地に行けない方は大会4日間のライブビューイングを「FRESH!」のサイクリングチャンネルにて放送します!
是非、ネットでもお楽しみください!!https://freshlive.tv/cycling

【みどころ】西日本学生選手権トラック

皆様、こんにちは!!初めて西日本学連を代表してJICF特設情報サイトに記事を投稿することになりました西日本学連の中の人です。

今回、2017年5月5・6日に岸和田競輪場(400mバンク)で開催される第37回西日本学生選手権トラック自転車競技大会のみどころを紹介したいと思います!

西日本学生自転車競技連盟とは?
まず、西日本学生自転車競技連盟は1950年に京都大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学の5大学により関西学生自転車競技連盟が発足したところから始まります!

現在はJICF加盟校の所在地が愛知県・岐阜県・富山県以西にある大学学校が西日本学生自転車競技連盟加盟校として活動しています。
平成29年1月現在の加盟校数は関西圏を中心に21校の大学が加盟しています。
下記の主催大会の他に全日本学生選手権クリテリウム競技大会なども主管で行っており、多くの西日本学連に関わりがある方々が大会運営にご協力いただいています!

西日本自転車競技連盟が主催する競技大会一覧

大会名 競技種目
西日本学生選手権トラック競技大会 トラック
全日本学生自転車競技トラック新人戦・西日本大会 トラック
西日本大学対抗自転車競技大会 TR&RR

第37回西日本学生選手権トラック自転車競技大会
今年37回目を迎える西日本学生選手権トラック自転車競技大会は近年GW期間中に開催される競技大会でシーズン序盤の各大学の戦力を知る上で非常に重要なトラックレースの競技大会となっております!

今年も120名の選手が参加予定で、年々増加傾向にあります。
開催競技種目一覧

男子の部: スプリント、1kmTT、4kmIP、ポイントレース、スクラッチ(10km)、ケイリン、4kmTP、チームスプリント
女子の部: スプリント、500mTT、3kmIP、スクラッチ(8km)、チームスプリント(2 名編成)

今回のレースの注目は?
昨年度、全日本選手権トラック1kmTTで優勝し、ナショナルチャンピオンに輝いた小原選手(朝日大学)は怪我から復帰してのシーズンになります。

そして昨年のインカレの団体追い抜きでベスト4に残ったチームのうち1位・2位は西日本学連加盟校でした。(優勝:朝日大学・2位:鹿屋体育大学)
今大会には鹿屋体育大学がエントリーしていませんが、同じくインカレで7位入った京都産業大学も今シーズンは新たに1年生が入ってきて、朝日大学と同様にトラック競技でも上位を狙える存在になれるか注目が集まります。

開催日は2017年5月5日・6日で会場は岸和田競輪場(400バンク)で開催されます。是非、西日本学生選手権トラック自転車競技大会をご注目ください!!!!

今年の主な出場選手紹介

小原選手(朝日大学) 出場予定種目:ケイリン、チームスプリント ※写真はTRS第1戦 1kmTT(2017.4.9)より

 

阪本選手(朝日大学)出場予定種目:500TT、IP ※写真はTRS第1戦500mTT(2017.4.8)より

 

山住選手(立命館大学)出場予定種目:ポイントレース、チームスプリント    ※写真はTRS第1戦 4kmIP(2017.4.8)より

 

西原選手(中京大学) 出場予定種目:ポイントレース、チームパーシュート    ※写真は全日本学生選手権トラック スクラッチ(2016.7.2)より

 

曽我部選手(京都産業大学)出場予定種目:ポイントレース、チームパシュート

 

吉岡選手(京都産業大学)出場予定種目:スクラッチ、チームスプリント、チームパシュート

 

八木選手(愛媛大学) 出場予定種目:500mTT、IP ※写真は全日本学生選手権トラック3kmIP(2016.7.2)より

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日本学生自転車競技連盟公式サイト: http://jicf.info/
特設情報サイトofficials: http://jicf.info/officials/
競技速報Twitter: https://twitter.com/jicf_jimukyoku
Facebookページ: https://www.facebook.com/jicfjoho/

文武の道にいばらあり!③ 慇懃高校生、スライム系大学生になる!?

みなさんこんにちは!慶應義塾大学の大前翔です。
さて、最終回となる今回は、前回ご説明した私自身の完璧主義を題材にし、まずは医学部を志望した経緯を振り返ってから、完璧主義を崩壊させた1つの大事件を振り返ります。

過去の大前選手の記事はこちらから!
文武の道にいばらあり!①
文武の道にいばらあり!②

YouTubeでツールドフランスの動画を見て自転車競技の面白さに取り憑かれ、私は自転車競技を始めることにしたのでした。それが、中学3年生の秋です。
本当は、すぐにでも始めたかったのですが、機材も、ウエアも、知識も何もなかったものですから、暫くは、水泳の練習を続けながら、自転車競技に関する情報を収集する日々を過ごしました。
そして、年が明けた1月、苦肉の策の移籍から2年半、お世話になったスイミングクラブを辞め、なにひとつわからない、誰も導いてくれない自転車競技の世界に足を踏み入れました。

ガッツリ初心者感を漂わせる、初めてロードに乗る前の記念写真

この過程が、勉強の方にも、私の心境に大きな変化を及ぼしました。医学部を目指すようになったのです。

自転車競技のトレーニングの大きな特徴は、「自分の運動を定量化して可視化できるデバイスが存在し、そのデータを後々にわたって管理できる」ということです。
つまりは、サイクルコンピュータ、突き詰めればパワーメーターのことなのですが、私の眼にはこれが、新しい希望の一筋のように写ったのです。

もともと、自分自身がスポーツをすること以外に、トレーニングを構成する側、つまりトレーナーやマッサーの仕事にも興味があった私は、自転車競技を始める過程で、「自分が自分のトレーナーになる」ことをとても楽しみにしていました。
それで、トレーニングに関する書物やウェブページを読み漁り、基礎知識を習得したのでした。試験の勉強はよくできたものの、自分の将来についてあまり深く考えていなかった私でしたが、ふと「アスリートを支えるトレーナーか、マッサーになれたらいいな」と考えました。しかし、慶應義塾の学部の中に、それらになることのできる学部は存在しません。
そこで、それらを包括する、医学部の選択肢が挙がりました。より深く調べると、マッサーやトレーナーとして活動する上で、医師免許をもっていると優位性がある、といったことが分かってきました。こうして、私は医学部を目指す覚悟が決まりました。

慶應義塾の自転車競技経験者はそのほとんどが高等学校からの内部進学者で、その他7割以上の部員は大学から自転車競技を始める

医学部を目指すとなると、内部進学でもその勉強は至難です。700人いる1学年のうち、医学部に進学できるのは22人。常にクラス1位の成績をキープしていないと、医学部進学に安心な内申点は確保できません。

そして、この内申点を巡って、私の完璧主義が、思わぬところで打ち砕かれることとなるのです。

高校2年生の後期期末試験の2週間前、私は発熱、悪寒、関節痛に襲われていました。インフルエンザです。私の場合、クラスで1位をとるための定期試験の勉強は、試験3週間前くらいから始めて、2週間前くらいから本腰を入れるのが通常です。
しかし、インフルエンザのせいで、机に向かうにも頭は働かず、かといって寝て回復を待つだけというのも私の精神が許すわけもなく、病体に鞭を打ち、3時間睡眠で勉強を続けました。そのためにインフルエンザの症状も長く続きましたが、1週間ほどで完治し、それからはさらにギアをかけて、1時間半睡眠で勉強に取り組みました。
ご飯の時間も、母におにぎりを握ってもらって食べながら資料を読み、湯船に浸かる時もふたの上に教科書を載せて読みました。また、眠気を抑えるため、コーヒーを時に一日2リットル飲むこともありました。当然胃は荒れましたが、私の完璧主義は、インフルエンザで勉強できなかったことが期末試験の成績を低下させることを許しませんでした。

16年度浮城のまち行田クリテリウムでクラス1に昇格

そうして結末は、皮肉なことに、期末試験2日目の夜に、自律神経失調によって倒れてしまったのです。
意識を失ったわけではないので今でも覚えていますが、なぜか涙と声だけは出て、自分の意思は明瞭にはわからない、そして全身は硬直して動かない、そういった状態で、リビングで、両親の目の前で、倒れてしまったのです。

精神的、神経的なものだったので、症状は1時間ほどで収まり、体は鉛のように重たいながらも動かせるようになりました。救急車は呼びませんでしたが、翌日は試験を休んで病院へ行くことになり、その診断結果からそれ以降の試験も休むことになり、残りの試験を受けることができませんでした。
勉強に関して、人生で初めての挫折です。それも、実際に試験を受けて挫折したわけではないのが、最も大きな問題です。中島敦の『山月記』の言葉を借りれば、「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」によって、私は試験の点数が悪いかもしれないという危惧から試験を受けることができず、また試験を受けずして挫折したのでした。
これは私にとって、かなりショッキングでした。

最終的には、試験の成績は、日頃の私の頑張りを見てくださっていた高校の先生方が、見込み点を高く評価してくださったおかげで、医学部進学に全く差し支えないものに収まっていました。
しかし、試験を受けずして高い成績をもらった自己への反省は深く、また自身の完璧主義への強い執着が招いた失態を重く捉え、それからは、自分を無理に追い込むことは一切やめました。
つまりは、完璧主義からくる義務感で物事を遂行しようとすることは一切なくなりました。

16年度学生個人ロードでの筆者

高校2年生までの私にとって、「文武両道」、及び、勉強とスポーツそれぞれで結果を出すことは、私自身の展望ではなく、義務となっていました。
完璧主義がそれらを縛り付け、尊大な羞恥心によって、それらが達成できなさそうな時は、逃避に走ってしまっていました。先に述べた一大イベントによって、私の完璧主義は打ち砕かれ、私は今「展望」として、文武両道を掲げています。

人間、頑張っても無理なことはあります。然るべき時に出来る精一杯を尽くして、それでもどうにもならなかった時には、大人しく赤っ恥をかけば良いのです。
高校2年生以前の私は、それができませんでした。

こうした心境の変化は、レースやタイムトライアル、試験直前やプレゼンテーションの前など、いわゆる「本番前」の精神状態に、安定をもたらしてくれます。

以前の私なら、「本番はこうでなくてはならない」という理想像に縛られて、それを実現するために、必要以上の緊張と不安を背負っていました。
対して現在は、「今、本番に向けて出来ることは何もない。本番が始まったら、大人しく全力を尽くすだけ。その結果がどうなっても構わない。」と考えることにより、プレッシャーが驚くほど減少しました。
定期試験の前日や当日朝に「謎の余裕」を感じる人は多くいると思いますが、そういう人の心理状態は、これに近くなっているのかもしれませんね。

プレッシャーなく試合に臨めたことも、インターハイ2位という成績を残せた理由の1つ

3回にわたり、文武両道をテーマに、私の20年の人生のターニングポイントを振り返ってきました。この文章を通じて、「何かしら」を感じ取ってくださったら、本望です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

外苑クリテ優勝コメント#G1

3/12(日)に開催された第11回明治神宮外苑大学クリテリウムの大学生クラスの優勝者にコメントをもらいました!

 外苑大学クリテリウム
男子大学生大学対抗グループ1優勝
岡本隼 おかもとはやと

日本大学 3年/和歌山県立和歌山北高校

Q:優勝おめでとうございます!今の心境は?
去年に引き続き優勝出来て良かったです!
前半から積極的に動いてレースをかき乱すような走りをして勝てたって事が嬉しいです。
ラスト周回でチームメイトの沢田選手が前に引き上げてくれて、良いポジションでゴールスプリント出来ました。
あのチームでの連携した走りが無ければ優勝する事は厳しかったと思います。

大学対抗戦も団体優勝した日大チーム。チームメイトの森口選手、沢田選手も力強い走りを魅せていた

Q:外苑クリテリウムで勝利するポイントは?
集団で走っている時は180度ターンのポイントを上手く攻略し、ゴールスプリントの時は、最終コーナー手前が狭くなっているので最終コーナーに入る前の位置取りが非常に重要なポイントだと思います。

勝利のポイントにもあげていた並木通りのUターン地点での位置取りはこの大会の攻略ポイントの一つとなっている

Q:外苑クリテリウムの雰囲気はどうですか?
雰囲気は最高です!
学連のレースでここまで人が集まるレースは他にないと思います!

アジア選手権でのU23カテゴリでの優勝の勢いそのままに、外苑クリテ2連覇達成、来シーズンの活躍も大きな期待が寄せられる岡本選手(日本大学)

 

外苑クリテ優勝コメント#G2

3/12(日)に開催された第11回明治神宮外苑大学クリテリウムの大学生クラスの優勝者にコメントをもらいました!

今年度のRCS最終戦男子大学生グループ2で優勝の方々からの優勝コメントです!


外苑大学クリテリウム男子大学生グループ2A優勝
直井 駿太 なおいしゅんた

中央大学 2年/茨城県立取手第一高等学校

Q:おめでとうございます!今の心境は?
ありがとうございます。
今の心境は、やっと、やっとクラス1にあがれた…と。
「神宮外苑で勝て」と周りにプレッシャーをかけられていたので、ホッとしています。

Q:外苑クリテリウムで勝利するポイントは?
・位置獲り ・冷静な判断力 ・様々な展開への対応力ですかね。

2016RCS最終戦・第11回 明治神宮外苑⼤学クリテリウム男子大学生グループ2A優勝・直井選手(中央大学)

Q:今年の外苑クリテリウムの印象はどうでしたか?
例年以上に観客数が多く感じました。
見に来てくださる観客の方々も大会の数を重ねるにつれて安全性や観戦ルールなどのマナーもしっかりされていて、大会全体の質が上がっているように思いました。

 Q:最後に一言メッセージを
見に来る大会で2位を頻発しすぎて、「あたしが応援にいると勝てないのかな…」とボヤいていた母を、今回いい意味で裏切り、嬉し涙を流してもらえたことは最高の思い出になりました。

フィニッシュ後に右手で中央の頭文字「C」マークを作り大学をアピールする直井選手

来シーズンの中央大学は更に強くなります!
個人としてもこれから次のステップで戦っていきたいと思いますのでご声援宜しくお願い致します!


外苑大学クリテリウム男子大学生グループ2A優勝
阿部将大 アベマサヒロ

鹿屋体育大学 2年/大分県立日出暘谷高校

Q:おめでとうございます!今の心境は?
大学に入って初の優勝だったので素直に嬉しいです!
外苑クリテリウムは本当にたくさん応援してくれる方々がいて楽しんで走れました。

Q:外苑クリテリウムで勝利するポイントは?
今回は最終的にスプリントにしたかったのでチームでレース途中でできる逃げを潰すこと、落車が多いので落車をしないこと、寒いのでアップを入念にすることを心がけたことが勝利につながったのかもしれません。

2016RCS最終戦・第11回 明治神宮外苑⼤学クリテリウム男子大学生グループ2B優勝・阿部選手(鹿屋体育大学)

Q:最後に一言メッセージを
チームメイトで同期の選手たちが活躍してるので負けないように来シーズンも頑張っていきたいと思います!

最終スプリントで抜け出しフィニッシュ。大学に入って初めての嬉しい優勝となった阿部選手(鹿屋体育大学)

今後とも鹿屋体育大学自転車競技部をご声援宜しくお願い致します!