インカレを終えた4年生(男子ロード優勝:野本空選手)

インカレを終えた4年生へのインタビュー。先般お届けした女子優勝選手対談に続き、男子選手編です。
まずはロード優勝の野本空選手から。学連レース全般を含めた思いを聞きました。


■インカレロード振り返り
Q:インカレロード通算2回の優勝おめでとうございます。明治大学としても他メンバーの活躍もありロード総合第3位の座を獲得したわけですが、終わってみての心境を教えてください。

トップでフィニッシュする野本選手(インカレロード2018)

野本さん: ロード班は学校対抗が暫定2位で、今までにない重圧と向き合いながらインカレロードに臨みました。 他大学と比べて決して選手層が厚いとは言えない明治チームが、インカレであそこまで戦えたのはチーム全員が成すべきことを果たしたからだと言えます。
中距離班から助っ人で駆けつけた梅本の漢気溢れる走りにはチーム全体が士気を上げ、攣った足に安ピンを刺し走り続けた竹村の行動にはチーム全員の血の気が引きました。笑
そうしたチーム一丸の行動こそが2度目のインカレ優勝を達成させてくれました。有終の美を飾らせてくれた後輩たちには感謝しています。

レース序盤、梅本選手の漢気溢れる走りにチーム全体が士気を上げた
フィニッシュ後、隈園主将(写真右)にサポートされる竹村選手。新シーズンから主将を引き継ぐ。

■よきライバルだった4年生選手は
Q:学連レースを競い合ってきた選手も多いと思いますが、同期で印象に残る選手を二人ほど紹介いただけるでしょうか。

野本さん:孫崎大樹選手(早稲田大学)と草場啓吾選手(日本大学)です。
・孫崎大樹選手
出会ったのは2013年のツールド沖縄だったと思います。先頭から千切れて最後は2人でゴール目指しましたが途中の孫崎の牽きが強すぎてサプリメントを飲んでも吸収されずゴール後、漆黒のゲ◯を吐いたことは今でも忘れません…
そして大学に進学してから、松本(祐典)さんが孫崎、草場を誘ってたこ焼きパーティーを開いてくれたおかげで仲良くなりました。 高校時代は負けっぱなしでしたが、今ではロードで勝ち負けを繰り返し同じ土俵で戦う良きライバルです。そんな彼に最近、白馬でスプリント勝利したのは嬉しかったです。笑笑

お互いに勝ち負けを繰り返している孫崎選手とのスプリント勝負。白馬クリテにて。

仲良くなってからは、あだ名で呼ばれる機会が増えました。公認はしていません。 黙認です。
※編集者注:あだ名の詳細は近日公開の孫崎さん記事で登場します。

・草場啓吾選手
出会ったのは冬休みの高体連合宿でした。ポイントレースで一緒に逃げて、ポイントを毎周回、絶対に譲ってくれなかったことを良く覚えています。笑
高校生時代は、触れたもの全て傷つけるくらい尖っていたように見えた草場選手。笑
しかし、そんな草場も大学で丸くなり仲良く話せるようになったのも先ほども登場した松本さんのおかげだと思います。笑
草場との一番の思い出はやはり、2年目のインカレの優勝争いです。同じ学年として互いに負けたくないという気持ちで走った残り一周はものすごく長く感じました。 あの時は勝ちましたが、今シーズンは負けてばかりだったので、絶好調の時の草場に勝てるように今年の残り少ないレースも頑張りたいです!

草場選手とは2016年インカレロードでの優勝争いが一番の思い出
2016年インカレロード表彰式。今年の残り少ないレースも草場選手と競い合っていきたい。

■明治大学のインカレ(ロード&トラック)総合成績について
Q:今年の明治大学はトラックレースを加えた総合成績でも第2位と大躍進しました。自転車部として工夫したことなどはありましたか?

野本さん: 今年のインカレは明治のルーティンを良い意味で打ち砕いた年であると言えます。 明治は例年、学生選手権や国体では強く、インカレは弱いというのが定番でした。更にロード班が成功した年はトラック班が失敗して、トラック班が成功した年はロード班が失敗するという状況でした。
そこで今年度は2年前にトラックで失敗した隈園主将と昨年にロードで失敗した自分が副主将になり、チームがどうすればインカレでパフォーマンスを発揮するか考えていきました。
それらの行動が某トレーニングジムではありませんが、結果にコミットしました。
短距離の塩島、荒川、隈園はチームスプリントで優勝。中距離では渡邉がオムニアムで優勝。長距離では自分が優勝しました。
長中短すべての花形種目で明治が優勝が出来たことは、明治のルーティンを打ち砕いた証だと思います。 最後のインカレを最高の締めくくりで終われたことに感謝したいです。

インカレ表彰式を終えた明治大学自転車部メンバー

■学連レースの思い出は
Q:学連で印象に残っているレースはインカレ以外にもありますか?

野本さん:自分の中で思い出深いレースは2年生の時の修善寺オープンロードです。 この大会はシマノレーシングや那須ブラーゼンなどのプロ選手がたくさん出場していて自分にはどうしても勝ちたい選手がいました。 それは同じ高校出身で2つ上の先輩であるシマノの小橋勇利さんでした。 高校時代から一度も勝ったことがなく、成長した自分を見せたいと考えていました。 そんな中で最後は登坂のスプリント勝負になり競り勝った瞬間は、何事にも代え難く本当に嬉しかったです。

2016年修善寺オープンロードで2位フィニッシュした野本選手
シマノ 小橋勇利選手(当時)に自分の成長した姿を見てもらうことができた。

このレースがきっかけで自分は強くなれたと思うので、あえてインカレではなくオープンロードを選びました。


■今後の自転車との関わりは
Q:これからの自転車生活について、決まっていることがあったら教えてください。

野本さん:今後は第一線で競技を走ることは無くなるかもしれませんが自転車は続けて行きたいと考えています。会場で見かけた時は声を掛けてくれると嬉しいです。笑


■学連を目指す選手たちへ
Q:最後に、これから学連を目指そうとする選手たちへメッセージをお願いします。

野本さん:自分は高校時代に大して強い選手ではありませんでした。しかし、そんな平凡な自分でも強い選手の倍の努力を積むことで西園さんに並ぶインカレロード2勝という記録を残すことができました。これから学連に来る高校生で大して強くない選手は今日から毎日、人の倍の努力をして下さい。きっと輝かしい未来が待ってます。

インカレロード2勝を成し遂げた野本選手。2018年インカレロード表彰式にて。

<編集後記:学連ウォッチャー 深井>
野本さん、詳細のコメントありがとうございました!
ちなみに男子も複数選手による対談形式を準備したのですが、ボリュームが大きくなり1記事に収めるのが難しくなったため個人対談でお届けすることとしました。
今回の野本さんに続き、本文に登場した孫崎大樹さんと草場啓吾さんにも別記事で語っていただきます。引き続きお楽しみください。