【みどころ#03】IC2017・レース系トラック種目

 

多彩な競技種目があるトラックレース
自転車競技にはさまざまなトラック種目があります。
インカレでは学連主催大会で実施される競技種目のうち、マディソンを除く種目が競技として行われます。

自転車競技のトラック種目はタイムを競い合うタイムトライアル系種目とトラック レース系種目に分類することができます。

今年のインカレの注目は?
レース系種目は、少人数で行われるスプリント系と、多人数のケイリンやポイントレースで見どころが違ってきます。

スプリント系の種目
予選のタイムトライアルの結果で組み合わせが決まるため、1/4決勝くらいまでは番狂わせはそれほど多くありません。

ただし、今年も1周が333mかつカントが急なバンクで行われるため、選手の走力が拮抗する1/2決勝以降では、駆け引きのうまさやレースをこなした経験や技術も大きな要素となります。

2017学生選手権個人トラックSPでは1年生が優勝 男子SP(スプリント)では坂井洋選手(日本大)の実力が頭ひとつ抜けており、優勝候補の大本命と目されています。

2017年個人トラック スプリント決勝戦で優勝を決める坂井選手

7月に同じ会場で行われたJICF TRACK CUPでも世界の強豪を相手に2位と健闘、7月の学生選手権でも優勝しています。

坂井選手(写真は2017年個人トラック)

インカレでも強さを見せつけることができるかが注目されます。 7月の学生選手権で惜しくも2位となった堀航輝選手(鹿屋体育大)はインカレでもエントリー、昨年多くの旋風を巻き起こした今年の2年生世代では、沢田桂太郎選手(日本大)選手や山根将太選手(中央大)、荒川仁選手(明治大)、田中克尚選手(早稲田大)などがエントリーしており、絶対王者に一泡吹かせることができるが見ものです。

2017年個人トラック スプリント決勝戦に挑む堀選手
荒川選手、田中選手(写真は個人トラック スプリント1/4決勝)

先述のJICF TRACK CUPでは、予選の200mタイムトライアルで10秒台を記録する選手が続出、今年もレベルの高い戦いになりそうです。

女子スプリント
岡本選手、清水選手を軸に展開 昨年のインカレでは清水知美選手(八戸学院大)が順当に勝利しましたが、今年は岡本二菜選手(日体大)が急成長、7月の学生選手権でも清水選手に完勝して今季の好調さを堂々とアピールしました。

2017年個人トラック 女子スプリントは岡本選手が優勝

インカレでもこの二人が中心的な存在となりそうですが、昨年2位の西島叶子選手(鹿屋体育大)などが展開次第で出し抜けを食らわせることができるのかも見どころとなります。

2016年インカレ 女子スプリント決勝戦は清水選手が制した(2016.8.27)

男子タンデムスプリントは混戦模様
昨年のインカレでは、法政大学ペア(鈴木/高橋選手)が鹿屋体育大学ペア(安本/徳田選手)を抑えて優勝しました。

2016年インカレ タンデム決勝戦フィニッシュシーン(2016.8.27)

昨年の伊豆ベロドロームほどではないものの、急斜面の小回りバンクのため、大きな自転車をいかにうまく操れるかが勝負の分かれ目になり、予選タイムの結果がストレートに反映されにくいので最後まで目が離せません。

今シーズンの学生選手権個人トラックでは早稲田大学ペア(中井/安倍選手)がそれぞれの競争で不利な展開からゴール直前で測ったように差すレースを続け優勝しましたが、他大学のペアが同じ手を二度も食うとは考えにくく、今年も本命不在の大混戦となりそうです。 昨年の覇者の法政大学ペアは今年も同じメンバー(鈴木/高橋選手)で臨み連覇を目指します。

2016年インカレ タンデム優勝の鈴木/高橋選手

今年の西日本インカレを制し、昨年3位からの逆襲を狙う朝日大学ペアも昨年と同じメンバーでエントリー(畝木/中村選手)してきました。

2017年西カレ タンデムスプリント優勝の朝日大学

ケイリン・ポイントレース、スクラッチは有力メンバーがずらり 多人数で行われるケイリンやポイントレース、スクラッチでは、展開次第で着順の変更が起こりやすく、各大学の出場選手数も各学校1名までに制限されるため、過去のインカレでは、ノーマークの伏兵が優勝、入賞した場面も数多くありました。

今年の男子ケイリン・インカレチャンピオンは?
スプリントの本命候補で昨年インカレ2位の坂井洋選手(日本大)がケイリンにもエントリー、2冠を狙いますが、各大学がエース級選手を投入し、展開次第で着順が毎回変わりそうなメンバー構成となりました。

個人トラック ケイリンは山根選手が優勝。第2位が松岡選手(2017.7.3)

7月のトラック個人戦での決勝進出メンバーでは、優勝の山根将太選手(中央大)、2位の松岡辰泰選手(日本体育大)、板倉玄京選手(明治大)が正選手でエントリーしてきましたが、1kmTTの優勝候補である小原佑太選手(朝日大)、スプリントでも有力入賞候補の鈴木玄人選手(法政大)など、一発かましそうな猛者がそろいました。

山根将太選手(写真は2017個人トラック)
最も手前が松岡選手、その隣が板倉選手(写真は2017年東日本トラック ケイリン1/2決勝)
最前が板倉選手(写真は2017年個人トラック)
最前が鈴木玄人選手(写真は2017年個人トラック)
西カレ ケイリン決勝でトップフィニッシュする小原佑太選手(2017.8.13)

ハイレベルの争いで選手同士の位置取りも予選から激化し、毎年有力選手が思わぬ失格や降格の憂き目にあうことも多く、反則を取られず、かつ攻めの走りを続けられるかがカギとなりそうです。

男子ポイントレースは昨年のリマッチか、それとも?
ポイントレース決勝は40キロの長丁場です。
緩急豊かな駆け引きに対応できる力だけでなく、長距離のロードも踏めるような地脚も要求されます。
そのため、有力校は経験豊かな上級生や、下級生でも高校時代にポイントレースに実績を残した選手を投入する傾向があります。

2016年インカレ ポイントレース ラスト1周時

昨年のインカレ優勝の荒井佑太選手(法政大)、2位の曽我部厚誠選手(京都産業大)、3位の孫崎大樹選手が今年もエントリーしています。ロードナショナルチームでも活躍した岡本隼選手(日本大)、インディヴィデュアルパーシュートでも優勝候補の今村駿介選手(中央大)らもエントリーしてきています。

2016年インカレ ポイントレース優勝の荒井選手(写真は2017年個人トラック)
2016年インカレ ポイントレース第2位の曽我部選手(写真は2017年個人トラック)
2016年インカレ ポイントレース第3位の孫崎選手(写真は2016年インカレ)
スプリント力と持久力を兼ね揃えた岡本隼選手(写真は2017年個人トラック)
インディヴィデュアルパーシュートでも優勝候補の今村駿介選手(今村選手は左より3人目。東日本トラックにて撮影)

男子ポイントレースは2日目の最終種目に組まれており、ここで上位入賞を果たせば決勝種目が多い3日目に良い流れを持ってくることができるため、見逃しは厳禁です!

スクラッチは激戦に
今年の実業団選手も参加する全日本選手権トラックでこの種目でナショナルチャンピオンに輝いた高橋優斗選手(中央大学)、7月の学生選手権個人トラック男子スクラッチで優勝した中村賢人選手(朝日大)、スプリントでも上位入賞候補の沢田桂太郎選手(日本大)、昨年のインカレでポイントレース4位の阿部将大選手(鹿屋体育大)がエントリーしています。
各大学のスピードスターとも言える選手たちが駆け引きをみせるスクラッチは激戦必至のレースになることが予想されます。

今年の全日本選手権トラックのスクラッチナショナルチャンピオンである高橋選手(中央大学)
沢田桂太郎選手(写真は2017年個人トラック)
阿部将大選手(写真は2016年インカレ ポイントレース)
中村賢人選手(写真は2016年TRS第3戦 2016.7.16)

本種目は最も落車が多発する競技で、少しの位置取りのミスが命取りになることもしばしば。狭い小回りバンクでいかに上手に立ち回ることができるかも見どころの一つでしょう。


大学自転車競技の頂点を決める競技大会!
2017年8月31日(木)から9月3日(日)まで文部科学大臣杯第73回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会(通称:インカレ)が長野県で開催されます。

8/31(木)〜9/2(土)はトラック競技が日本で最も高地にある松本市美鈴湖自転車競技場で、最終日9/3(日)は大町市美麻地区公道周回特設コースで個人ロードレースが行われます。


■関連情報はこちらから■
日本学生自転車競技連盟 【公式サイト】:http://jicf.info/
【特設情報サイト】:http://jicf.info/officials/

文部科学大臣杯第73回全日本大学対抗選手権自転車競技大会
【大会概要ページ】:http://jicf.info/5960/

【公式Facebookページ】:https://www.facebook.com/jicfjoho/ 【公式Twitter】:https://twitter.com/jicf_jimukyoku

また、競技速報Twitterにて、テキストLIVE配信を行う予定です。

#01 インカレ2017みどころ
#02 インカレ2017トラック種目:タイムトライアル系
#03 インカレ2017トラック種目:トラックレース系
#04 インカレ2017トラック種目:チーム種目
#05 インカレ2017ロード種目:個人ロード種目