個人タイムトライアルは、選手一人ひとりが一定の時差でばらばらにスタートし、単独走によるタイムの優劣を競います。
前の選手に追いついた場合でも、その選手の直後につく行為は禁止されています。周りに選手がいない環境で前方からの風圧をまともに受けるため、まさに自分の脚だけが頼りの過酷な競技です。
そのため、爆発的なスピードはないものの一定のスピードを長時間保つことができる選手が上位にくる傾向があり、普段の個人ロードレースではアシストの役割に徹している選手が、自分の真の実力をアピールする機会でもあります。
また、タイムトライアルでは選手のヘルメットや自転車にも注目する点が多くあります。風の抵抗を最小限に抑える姿勢を長時間維持するため、大部分の選手の自転車にはDHバーが装着されています。
後輪にディスクホイールを使用したり、後方部分が長くなっているエアロヘルメットを着ける選手も多く見られ、個人タイムトライアルが風圧と戦う競技であることを如実に物語っています。
本連盟主催の個人タイムトライアルは、例年5月に「全日本学生個人ロードタイムトライアル 自転車競技大会」が利根川上流河川敷で行われます。利根川からの強風を真っ向から受けながら、各選手は孤独な闘いに挑みます。