2025インカレ レースレポート福永和人選手(日本体育大学)

8月下旬~9月初旬にかけ開催された第80回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会。
トラックレースとロードレース、ともに出場した福永和人選手の振り返りレポートを紹介します。

2025インカレ レースレポート
福永和人選手(日本体育大学)

インカレトラック&ロード
 TP 8th
 OM 14th
 RR DNF 15lap

最後のインカレトラック・ロードレースが終わりました。
まずはこの大会が開催されるまでにご尽力いただいた全ての方に心より感謝申しあげます。

■トラックレース編

最後のシーズンになり、1年生の頃から目指してきたオムニアム種目に選出いただき、今年はチームパーシュートも走らせてもらえることになりました。

チームパーシュートは、なかなか上手に走れないのが嫌で、高校時代からずっと”嫌い”な種目でした。
それでも「チームパーシュートで4.20.00を突破してインカレで入賞しよう」とチームで目標を掲げてから、本格的にトレーニングを重ねていきました。
ポジションも何度も何度も見直し、かつてないほど空力とバイクコントロールの両立をするために試行錯誤の繰り返し
後ろにダメージを与えないライン取りやペダリング、体の使い方を研究したり適性ケイデンスをさがしてギア設定を見直したり、みんなでパワーデータと映像を比較してみたり…
トレーニングを重ねていくうちにどんどんタイムが縮まり、取り組むべき課題がどんどん明確になり、タイムを縮めるためにはどうしなければならないのかがはっきりわかるようになってきました。
4月のレースでは、4.42.00秒で走ることが精一杯だったのに、8月のはじめには、4.20秒の目標タイムをクリアできるようになりました。
そこでこのチームなら、これからさらに研鑽を重ねてインカレ本番では4.15秒台を目指せると、目標をさらに上げることができました。
どんどん練度を上げて、本当に4.15.00秒に届くかもしれない、と本当に夢を見られるようになりました。
いつの間にかチームパーシュートという種目が”好き”になっていました。
レースを迎えるのが、目標タイムを出して感動を分かち合うのが本当に楽しみでした。

迎えたインカレ当日、4.15.00が出ると思ってスタートしました。
結果は自分のスタートミスにより、4.22秒。
一瞬のミスで集大成を全部崩壊させてしまいました。
これまでの全ての時間
チームで重ねてきた努力
応援してくれた全ての人の期待
これらを全て台無しにしてしまったと言う気持ちで言葉では表せないほどの罪悪感で潰されそうになりましたがそれでもチームメイトが迎えてくれた温かくおかげで
「一人で戦ってるわけじゃない。明日も(自分の)競技があるし、他のチームメイトもまだまだレースが続く。自分だけ落ち込んでる場合じゃないし、明日のレースも全力、応援も全力で、チームで1点でも多く総合得点を取りたい、それに貢献したい」
という思いで気持ちを切り替えることができました。
結果は8位でぎりぎり入賞。本当に悔しい思いの残る入賞でした。

個人種目は2日目のオムニアム
前日の気持ちを切り替えて自分のできることを精一杯してチームに貢献したい
8/30はただそれだけ考えて走りました。
結果は14位
ただただ何もできず終わりました。
最終種目のポイントレース、スタート前に監督から
「好きに走ってこい、集大成だ。転けるなよ。」
と言っていただけたので、攻めようと思いました。
自分の走りがしたい。応援してくれた、支えてくれたすべての人へ感謝を伝えたい。感動を届けたい。
1回目のポイント周回を先頭で通過したのはそんな意地みたいなものでした。
でも結果は完走すらできずレース終了。
悔しい思いばかり。
でもこれもレースだし、最後です。
どんな瞬間もどんな気持ちだろうと結果だろうと、もうその瞬間は帰ってきません。
悔しいまま2日目が終わりました。

3日目はサポートと応援のみ。
同期やチームメイトの走りを全力で応援しました。表彰台に立ってくれて、自分のことのように嬉しかったです。

表彰式終了後、チームメンバーと。

■ロードレース編

1週間後のロードレース

前日の女子ではチームメイトの最高な形で優勝。
最高な瞬間に立ち会えて、同じチームメイトとして勝利を分かち合えたこと、めちゃくちゃ嬉しかったです。

当日はよく寝れたし、最後のレースなのに緊張も少なくて、楽しんでやるだけやったろう!って気持ちでスタートしました。

集団の中ほどからスタートする福永選手

暑さに弱いのでとにかく冷やして
楽な位置取りを探して脚を休めて
補給もとりながら近くのチームメイトの様子を観察して声を掛け合って走りました。

チームメイトと共に180度ターン地点を走る福永選手

とにかく脚を温存しながらの戦いでしたが、それも尽き早々に足が攣り始めました。
なんとか補給と下りながらストレッチしてしのぎましたが、90キロ地点で全身攣ってレースから離脱。
男子はチームメイトが13位と20位ポイント圏内でゴール。
頼もしい後輩に救われました。

補給を受けながら完走を目指した。

インカレ期間の2週間、目まぐるしいほどの感情と感動に出会わせてもらいました。
きっとこれが4年間過ごしてきた時間に対するご褒美なのかなと思います。

インカレでは本当に沢山の人達が応援に駆けつけてくれて、どこのコーナーからも、自分のことを応援してくれる人達の声が聞こえて、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。

沢山の応援いただき本当にありがとうございました。

ロードレースを終えて再びチームメンバーと。

Photo & 編集 Fumihiro Fukai