RCS最終戦 第14回 明治神宮外苑クリテリウム

2020年2月23日、今年も東京都 明治神宮外苑周回コースにてRCS最終戦となる外苑クリテリウムが開催されました。

2月開催、というと積雪で中止となった2014年を思い出すのですが、当日は2月とは思えない暖かさ。会場の河津桜は満開を過ぎて葉桜になっていました。
日本最古級の舗装道路(1926年竣工)として保存されてきたスタート/フィニッシュ地点の路面は、オリンピックを前にインターロッキングブロックに代わっていました。今年と去年のスタートシーンを見比べると路面の違いがよくわかります。

今回(2020年2月)の路面
第13回(2019年3月)の路面

さてレース模様の方、今回も各クラスで優勝した学連登録選手からメッセージをもらいました。
今年の海外招待選手はオランダ アムステルダム大学チーム。メンバーをアテンドした早稲田大学 小野豪太さんにお願いし、Floris Jan van den Berge選手からコメントをもらいましたのであわせて紹介します。


優勝選手(学連登録選手)紹介

■グループ3A

優勝:塩島 嵩一朗選手(明治大学)コメント
大学に入り短距離に転向したので、ロードを走る機会が少なく一年ぶりのロードレースでしたが、楽しく走ることができて良かったです。

<編集者より補足>
塩島さんはご存じのとおりトラック競技ではインカレはじめ各レースで上位常連選手です。

2019年インカレ ケイリンで表彰台に立つ塩島選手。同インカレではTSPも明治大学チームとして2位入賞している。

■グループ3B

優勝:松本輝選手(作新学院大学)コメント
6キロという短い距離で、2つのRがキツイコーナーを如何に前で立ち上がれるかで勝負が決まると試走の時に感じ、しっかりとレース本番で毎コーナー前で立ち上がれたので脚を残すことができ勝つことが出来ました。更に今年に入ってから毎レース事にチームメイトがクラス昇格をしていて、チームの雰囲気が良かった事も勝てた理由の1つだと思います。
来シーズンよりクラス2なので、更に気合いを入れて練習したいと思います。


■グループ3C

優勝:新垣慶晃選手(鹿屋体育大学)コメント
今回のレースはゴールスプリントに賭けていたので、集団の人数を絞る為にもローテーションを促しながら前々で走ることを心がけました。
最終コーナーは3番手以内で回ろうと決めていましたが、2番手で回ることができそこからのスプリントも「これはかかってる!」という感覚があったので自信を持ってもがききることができました。
今後はスプリンターの脚質を生かして、ロード競技だけでなくトラック競技にも挑戦していきたいと思っています!


■マスターズクリテリウム

優勝:半澤雄高選手(Roppongi Express)


■グループ2A

優勝:中村圭佑選手(鹿屋体育大学)コメント
単騎で挑むことになったのでレース中は冷静に展開を見て、とにかく前々で位置取りをして足を使わないようにして走りました。なるべく逃げを作らないように意識して最終コーナーを過ぎたら1人で行こうと決めていました。今年の神宮のコースは最終コーナーのレイアウトが変わりこのコーナーがポイントになると思っていました。
昨年と比べて路面が綺麗になったこともあり神宮のストレートの距離なら踏み切れると思ったので先行が有利だと考えました。自分の作戦が上手くはまり優勝する事が出来て良かったです。
今シーズン良いスタートが切れたと思うのでこの調子で頑張っていきます。


■グループ2B

優勝:大町健斗選手(Team Eurasia – iRCTIRE)


■女子

優勝:中村愛花選手(日本体育大学)コメント
神宮クリテリウム2連覇することができ、素直に嬉しく感じています。
レースでは、後輩の小口の積極的な走りもあり、落ち着いて周回を重ねることができました。最終コーナーを3番手でクリアしスプリントできたことが大きな勝因だと思います。

積極的な走りを見せてくれた小口選手とともに。

これから長いシーズンが始まりますが、学生生活最後の年なのでこの調子で突っ走っていこうと思います。

レースを終えて監督・チームメンバーと。

■グループ1

優勝:篠田幸希選手(日本体育大学)コメント
今年で自分にとっての3回目のチャレンジとなりました。一昨年、去年と悔しい思いをしてきたので今度こそは勝つと決めていたので勝つことができて本当に嬉しいです。
レースでは川田選手が逃げのチェック、安彦選手は引き上げ、自分はゴールスプリントといったオーダーで走りました。最初は川田選手がチーム戦が初めてということもありどこまで走れるかが心配でしたがとても頼もしい積極的な走りをしてくれたので大きな逃げを許すことなくレースを進めることができました。
そして安彦選手も集団内での引き上げといった重要な仕事をしてくれたおかげで今回のレース勝つことができました。
完璧な走りをしてくれた仲間、そして応援をしてくれたチームメイト、監督に心から感謝です。今回の勝利は日体大みんなで勝ち取った勝利だと思っています。


■大学対抗総合優勝

日本体育大学(篠田幸希選手、安彦統賀選手、 川田真也選手)

安彦統賀選手コメント
今回のレースの勝因は日体大がチームとして完璧に動けていたからだと思います。
各大学3人と言う少ない数で勝つためには味方を信頼することが必要で、普段のレースでの動き、練習態度などトータルでみて最適なメンバーを決め役割分担をしました。
今回はオーダー通り川田が序盤から逃げをチェックし素晴らしい動きで自分と篠田の脚を温存することができました。1年生ながら終盤まで1人で前の動きに対応できていて後ろから見ていてとても頼もしかったです。

篠田選手のトップを確かめガッツポーズでフィニッシュする安彦選手

自分は、川田のおかげで脚を温存できたので最終コーナーをゴールと思って踏み込みました。普段のRCSや練習でも篠田の爆発力は凄いですし、安心して前に踏み上げることができました。篠田も勝ち切るとこは流石だと思います。
シーズンはまだまだこれからですが、オフシーズンのトレーニングで日体大は確実に成長しております。ここから4月の学生選手権に向けてさらに気持ちをいれチーム目標であるインカレ総合優勝に向けて全力で突き進んでいきます。


■RCS総合優勝

鈴木浩太選手(明星大学)コメント
あたたかいご声援ありがとうございました!
最終戦にはRCSリーダー奪還を目標に挑みました。一緒に出走した佐藤兄弟にアシストしてもらい最後まで足を残して走ることができたことでポイント差を逆転しRCSチャンピオンになることができ嬉しいです。ですが、惜しくも勝てず悔しいです。
シリーズ初戦から2連勝した時はこのまま最終戦までキープしていこうと思いました。

レース序盤、Tom Wijfje選手(アムステルダム大学)とともに先頭を走る鈴木選手

風間君との差がほとんど広がらず、11月の袋井クリテリウムで逆転されてしまった時に最終戦まで勝負しようと言ってくれた風間君の存在は大きかったです。植益君も一緒にランキング争いをしてきました。この2人はよき友でありよきライバルでした!ありがとう!

よき友でありよきライバル、と鈴木選手が語る2人とともに。

監督、チームメイトにはとても感謝しております。他にも多くの方々に支えられて成長してきました。いつもありがとうございます。今後も競技を続けていきますので引き続き応援よろしくお願いします!

レースを終えて監督・チームメンバーと

■海外招待チーム:アムステル大学

フローレス選手よりコメント
Mr.Floris Jan van den Berge:Universiteit van Amsterdam

My impression of cycling in Japan:
The criterium was something special! The crowd and atmosfeer were amazing, I have never experienced something like this before! I would never forget this race and hope to come back to race more races in Japan.
The level of the Japanese riders was quite similar to the races in the Netherlands.But the Japanse riders have more sprint capacities then us, this made the race sometimes hard for us, especially after corners.
In comparison to the criteriums in the Netherlands, this criterium was very short.Although I am better at longer races, this was an nice criterium.
I think that we, Amsterdam University Team, showed ourself many times in the front of the race.
I hope to come back sometime for more races in Japan!

レース中盤、集団の中ほどを走るフローレス選手(写真中央)

<日本語訳>
日本でのサイクリングの印象:
クリテリウムは特別なものでした! 観客と雰囲気がすばらしかったです。私は前にこのようなレースを経験したことがありませんでした。私はこのレースを決して忘れませんし、日本でのレースをまた戻って来て楽しみたいです。
日本のライダーのレベルはオランダのレースと非常に似ていましたが、日本のライダーは私たちよりもスプリント能力を持っているため、特にコーナーの立ち上がりが私たちにとって難しかったです。
オランダのレースと比較して、このクリテリウムは非常に短かったです。私は長いレースは得意ですが、これは素晴らしいクリテリウムでした。
アムステルダム大学チームは、レースの集団前方でで何度も魅せるレースが出来たと思います。
私はいつか日本でのレースに戻ってきたいと思っています!

訳:小野豪太さん(早稲田大学)

海外チームアテンダントの小野豪太さん、廣木知華さんと。

今回、海外チームアテンダントをされた小野豪太さん(早稲田大学)からもコメントをもらいました。

小野豪太さん コメント
今回オランダチームのアテンドを担当してとても良い6日間を過ごすことができました。伊豆や館山などの自然豊かな地域を走り、東京の伝統的な観光スポットに案内することが出来ました。
またオランダにおける自転車の魅力や日本とは違った自転車における文化などを知ることが出来ました。またアムステルダム大学チームが来日した際はさらなる健闘を期待します。


<編集後記>
絵画館前の路面について、土木遺産として旧舗装の一部が残されている、と聞いたのですが私自身は当日発見できませんでした。
本レースのコミッセール 大島環様がSNSに投稿されていたのでお許しを得て紹介します。

写真提供:大島環様

編集&photo:深井文浩