インカレ卒業4年生選手対談(女子優勝選手編)

インカレが終わり4年生が引退します。
今回コラムは特別編としてインカレトラックやロードで活躍し、有終の美を飾った中井彩子選手(鹿屋体育大学)と伊藤真生選手(日本体育大学)の対談をお伝えします。


まずはインカレおつかれさまでした。終わってみての思いはいかがでしょうか。

■中井さん(ロード&オムニアム&3kmIP 優勝、マディソン第2位)
絶対勝ちたいレースでした。
学生チャンピオンジャージは先輩や後輩が着ているのをみて、憧れもあり、羨ましくもあり。一度も着たことがなかったから、最後のチャンスと自分を鼓舞していました。

インカレトラック オムニアムでは中井選手が優勝、伊藤選手が第2位。
インカレロードにてトップフィニッシュする中井選手。

■伊藤さん(マディソン優勝、オムニアム第2位、ロード第6位)
今年のインカレは去年に引き続き女子の総合優勝を目標とし臨みました。
個人的には何か一つでも優勝して学生チャンピオンジャージを着る事が目標でした。
トラックは種目数が多かったので1番気をつけたのは体のケアですね。
色々な人にサポートをしてもらって万全の状態で臨みました。
総合優勝は1人の力では取れないので、みんなの頑張りに感謝しています。
終わってみれば1番きついレースで1番楽しい試合でした!

インカレトラック マディソン表彰式
日本体育大学として目標通り女子総合優勝を果たすことができた。

中井さんと伊藤さんはよきライバル関係だったのではと推測しますが、お互いの関係や思い出、エピソードなどがあったら教えてください。

■中井さん
私は大学進学時、高校から続けてきた同期が、日本体育大の伊藤さんだけでした。
お互い怪我もあり、長期自転車に乗れないとこがありましたが、高校時代からのライバルとして、また数少ない女子選手として、私はレースでも嫌でも意識してしまう存在(笑)
怪我するタイミングも
「合わせて来た?」
ってくらい同じ時期で2年生は多かったです。
怪我する箇所も同じだったり(笑)

2人で顔面腫らしながら、写真送りあって
今考えたら、そのやり取りで元気をもらってたのかなと思います。
でもそれ以降お互い全く落車してないよね?

■伊藤さん
高校の時に知り合ってから一緒に練習する機会もあり、自然と仲良くなり連絡を取るようになっていました。何かあるたびに連絡して、怪我の写真を送りあっていたのも覚えています笑
悩んだ時にも相談して助けてもらいました。

試合ではいつも負けっぱなしでしたが、追いつこうと目標にもしていて、ライバルでもあり仲間でした。中井さんが頑張っているのは知っていたので、全日本ロードで優勝した時は心から嬉しかったです。悔しいよりも嬉しいが先に来たので、きっと尊敬していたんだと思います笑

それでも最後に何とか勝ってやろうと思っていたので、インカレではマディソンで勝てて良かったです笑

インカレではマディソンで中井選手に勝利した。

■中井さん
トラックやロードの動画を見直しましたが、まおがいつも私の逃げを潰しに来てたなと
逆に、テンポや、最後のポイントレースも「この?!」とかなり意識して攻撃してた気がします笑

ちなみに、高校の時は私が、特にレース系が負けっぱなしでしたしオムニアムも、最後のポイントだけ見れば負けてます(笑)

中井選手が負けを喫したと認めるインカレ オムニアム最終ポイント。

さっき、全日本で優勝した時嬉しい、尊敬している、と言ってくれたのは
いざ、こう素直に伝えられると恥ずかしいです笑

会場で会うたび、睨み合っては小突きあって
私はお土産で、鹿児島は桜島の火山灰を渡したことがあります。今思えば最低ですね(笑)
でも、こうして会うたび嬉しかったし
次を楽しみに練習のモチベーションになりました。

■伊藤さん
火山灰もらったの覚えています笑 鹿屋の厳しさを知れっ!と言って渡されました笑 今でも部屋にあります。

私は去年の11月に膝の靭帯を怪我してしまいました笑
その後に彩子が落車しないかちょっと心配していました。

中井さんからお土産として渡されたという火山灰の缶詰(伊藤さん写真提供)

■中井さん
あーそうだった!!!
しばらく乗れなかったんだったな。
全日本オムニアムだ。
私の心配をしてくれるところがまた優しい笑
体づくりの大事な時期にようやく入る、という時の大きい怪我で
彼女もだいぶ落ち込んでるのが伝わりました。
よくやめなかったな、と思います。
粘り強さが彼女の強みだと、レースでもそれは思います。

■伊藤さん
最後の年に怪我をして落ち込んではいたんですけど、また彩子と差がついてしまうと思うとこうしちゃいられないと思って、さっさと治して乗ってました笑
彩子も変な怪我をいっぱいしたのにそれをバネに努力し続けられてる才能が凄いですね。

インカレトラックでも常にお互いを意識してレースに臨んでいた。写真はエリミネイション中の両選手。

なるほど、お互いにライバルながら似ている部分もあって、切磋琢磨しながら結果的に双方の成長につながっていったんですね。

では最後に、ご自身の今後の自転車とのかかわりや学連をめざす選手へのメッセージをお願いします。

■中井さん
①今後について
鹿屋はインカレで代替わりするシステムです。
しかし、自分は鹿屋体育大学の広報部の一員でもあります。
引退してもチームの活動を発信して、より自転車がメジャーになるように楽しい広報を目指します。
皆さまぜひチェックしてください!

<鹿屋体育大学自転車競技部 リンク集>
・NIFS-K Blue Sky(Facebook
・【公式】鹿屋体育大学自転車競技部(Twitter)
・鹿屋体大自転車競技部HP

まずは卒業できるように、論文頑張ります(笑)

②学連をめざす選手たちへ
学連は、高校とはまた雰囲気が違います。
大学から始める方もいらっしゃるし、私はそういう方に刺激をもらった面もあります。
例えば
東京大学さんは今年のインカレの団体追い抜きの完成度がとっても高くて、見ていて涙が出るほど感動しました。
インカレで良いな、と思った点は
他の大学の方も応援してくださるというところ。
声援もすごいし、お祭りみたいで、「やっぱり楽しいな。」と思う瞬間です。
人によって目指すところは様々ですが、インカレは学生ならではの大会の盛り上がりを楽しめるのが良いところだと思います。

最後の年の4年生撮影会(インカレ閉会式後)がいい思い出になるように、充実した学生競技生活を送って欲しいです。

毎年恒例となっている4年生の集合写真(2018.9.2)

■伊藤さん
①今後について
今後この競技と深く関わるかは今はまだわからないです。
ですが、自転車競技を通して選手以外にも関わってくれる人の多さに気づきました。陰での様々なサポートがあり私達の競技は成り立っているので、今度は自分が何かしらの形で関わってお手伝いできればと思っています。

②学連を目指す選手たちへ
今は学連で走る女子もだいぶ増えてきて、しっかりレースができるようになってきました。自転車をまだ続けたい!と思っている人は是非学連で走って欲しいですね!
大学で学べる事も多いですが、インカレなど一つの目標に向かってみんなで頑張る。仲間をみんなで助け合い、応援するといった事は今後なかなか経験する事のない事だと思いますし、とても楽しく充実した時間を過ごせると思います!
楽しいだけじゃなく辛い練習や単位の取得などきついと感じる事もあるかも知れませんが、大学は自分次第、どうにでもなりますし何とかなります!笑
是非これからの学連女子を盛り上げていってください!

インカレロード出走前に二人並んで(2018.9.2)

■編集後記<学連ウォッチャー深井>
多くの選手から「インカレは特別!」という話を聞きました。今回はそんなインカレの最終回を経験した4年生の女子選手二人に登場いただき対談をしてもらいました。
3年半という長い学連レース活動の間には怪我をしたり不調な時もあったようです。真摯な想いとクスっと笑ってしまうコメント、ありがとうございました。