⽇本学⽣⾃転⾞競技連盟 平成28年度 事業計画 2016

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平成28年日本学生自転車競技連盟事業計画(PDF形式)

⽇本学⽣⾃転⾞競技連盟 平成28年(2016)年度 事業計画 v1.0

2016年3⽉12⽇

1 概 要
本連盟登記選⼿数は1995年から下降傾向をたどり、2002/2003年度は300⼈台後半まで減少したが、2004年から上昇に 転じ、2015 年度も上昇基調である。社会全般としての少⼦⾼齢化・⾼校⾃転⾞部の部員減少・⼤学⽣の体育会系部活離れといった逆⾵環 境と、⽇本社会全般の⾃転⾞・サイクルスポーツへの関⼼の⾼まり・実際にロードバイクに乗る⼈⼝の増加という順⾵基調の環境が混在して いる中で、 ⽇本各地・都道府県連盟との共同開催によるレース数の増⼤、国際的レースへの積極的参加、といった近年の施策が⼀定の効果を 上げていると考えられる。しかしながらその増加率は低迷しつつあり、次の段階へ向けた施策が求められてきている。さらなる登記選⼿数の 増加、競技⼒・運営⼒の双⽅においてより⾼い⽔準をめざしてゆく。 競技中・練習中の安全の確保は常に重要な命題である。競技⽤⾃転⾞に乗る⼈の数が増えることは競技の振興にとって基本的に好ましいこ とであるが、他⽅、道路における歩⾏者・⾃動⾞等との共存のバランスに変化をきたしてきている。公道をお借りして⾏われる⾃転⾞競技の 特性に鑑み、マナーとルールの遵守の徹底に対して、本連盟登録校競技者は社会の規範となるべきライディングを⽇常より⽬指す。 練習中の交通事故では、被害者にも加害者にもなるリスクがある。⾃転⾞競技が安⼼して取り組めるスポーツとなるよう、各クラブでのコ ーチ・監督の育成や、⼤学にはいって初めて競技を始める競技者への講習会等の実施を推進していく。またJCF との情報交換・⼈的交流を深 め、学連独⾃の対策と同時にナショナル・レベルでの普及・安全対策の充実にも取り組んでいく。そのためにも、チーム運営に携わる者のコ ーチ・指導員・チームアテンダント資格の取得を通じて、資質の向上を図っていく必要がある。 加盟100校・1000名にむけ、⼀層広い裾野と⾼い頂点の選⼿・チーム指導者・審判層を構築していく。 2020年のオリンピック競技⼤会開催が決定し、選⼿育成・周辺領域充実の両⾯で⻑期的視野にたった施策が求められている。今後、当 連盟出⾝競技者、コーチ・審判など選⼿を⽀える周辺領域での本連盟出⾝者の活躍が重要であり期待されるところである。 競輪収益⾦を原資とする補助⾦は、減少の⽐率は⼀時期よりは若⼲弱まったものの引き続き減少傾向であり、加えて⽀給審査は厳格化され ている。本連盟は継続的な⾃主財源拡⼤策により徐々に補助⾦依存体質からの脱却をはかりつつあるものの、依然としてトラック⼤会・本格 的選⼿権⼤会を中⼼に⼤会開催にあたっては補助⾦依存度が⾼い。補助⽐率低下に備えた財務体質改善が引き続き必要である。その基礎とな るのは何を於いても、⾃転⾞競技の発展に情熱と愛情を注ぐことをいとわない幅広い⼈々の協⼒であり、とりわけOB・OG の⾦銭的・時間 的・マンパワー的協⼒体制をより広く確固たるものにしていく必要がある。 東⽇本⼤震災をはじめとする2011年に続いた災害からの復興に関して学⽣⾃転⾞競技は何をできるか、は今後も議論と検討が必要であ るが、本連盟が実施可能な「競技⼤会の開催」として本年度は東⽇本学⽣選⼿権トラックを福島県泉崎国際サイクルスタジアムで⾏う。 ロードバイクに乗るサイクリスト⼈⼝は確実に増加しており、また各地の地⽅公共団体や財界は⾃転⾞を軸とした街の活性化に期待を寄せ ている。競技⼈⼝増加は競技連盟の施策次第、⾮常に明るい未来があるともいえる。学⽣スポーツとしての基本的な魅⼒を磨きつつ、社会的 存在価値のある運営を通じて本連盟憲章の定める⽬的であるところの学⽣⾃転⾞競技の健全なる発展に向けて、引き続き事業運営に取り組ん でいく。

2 国際⼤会の開催・参加
・世界選⼿権・ワールドカップ
オリンピック参加資格対象ポイント⼤会への本連盟競技者の参加を促進する。
・アジア選⼿権ロード&トラック
本年度後半である2017 年2-3 ⽉にロードレースがバーレーンで、トラックレースがインドで開催される。本連盟登録競技者の参加を促 進する。
・世界⼤学選⼿権
2016年3⽉にフィリピンで開催された。⽇本でいう2016年度は開催年ではない。
・アジア⼤学選⼿権
アジア⼤学スポーツ連盟の事業の⼀環として2016年10⽉に韓国にて第⼆回⼤会・ロードレースが開催予定である。⽇本代表チームの 派遣を予定する。
・⽇韓学⽣対抗: 第22回⽇韓対抗学⽣⾃転⾞競技⼤会が⽇本で開催される。11⽉上旬開催予定。 これまで同様、⼤学対抗の優勝者から派遣選⼿が選考される予定である。今年度は⾼体連主管にて⼤会運営を⾏なう予定である。
・U23 ネイションズ・カップ: JCF 派遣⽅針と連携しつつ、本連盟競技者派遣を積極的に働きかける。
・明治神宮外苑⼤学クリテリウム: 2015年から3⽉に時期を移して実施され、社会に認知される都市型ロードレースの代表的イベントとして⼀定の位置づけを得つつある。 観客にとってより魅⼒があり注⽬される⼤会としていくため引き続き国内カレンダー⼤会の範囲内(3 チーム迄〕で海外⼤学チームの招待参 加を受⼊れ、⼤学クリテリウムとしての性格を明確にし、レベル向上と国際交流を図る。チーム招聘を契機に始まったメルボルン⼤学、アム ステルダム⼤学との交流を持続・発展させていく。
・トラック・クラス3国際⼤会
本連盟競技者の五輪参加可能性を⾼めるべく、オムニアム・チームパーシュート等を実施するトラックレースシリーズを国際イベントとし て位置づけ、必要な参加国招聘と資⾦獲得の活動を⾏う。

3 国内⼤会への参加
学⽣競技者の技量向上・実⼒発揮の機会を捉え、積極的に国内開催主要⼤会に代表選⼿を派遣する。
・全⽇本選⼿権トラック: ⼤会参加基準に従い代表選⼿を選考・派遣する。
・ツアーオブジャパン: クラス2.1 レースでありクラブチームは参加不可。ナショナルチームメンバーに本連盟加盟校選⼿が選出されるよう働きかけを⾏う。
・ツールド北海道: 主催者からの本連盟宛推薦依頼に応じて推薦チームを選考・派遣する。
・トラック国際⼤会 2016年度ジャパントラックカップへの派遣選⼿を多く送り出すよう努⼒する。
・その他の⽇本国内開催国際⼤会: 本連盟宛推薦依頼・出場依頼あった場合、選考委員会にて検討のうえ代表選⼿を選考・派遣する。

4 選⼿権⼤会の開催
・全⽇本⼤学対抗選⼿権(インカレ): 静岡県伊⾖市・⽇本サイクルスポーツセンターにて実施する。⽇韓対抗代表選⼿選考会となる。
・全⽇本学⽣選⼿権ロードレース: ⻑野県⽊曽郡⽊祖村 奥⽊曽湖・味噌川ダム周回コースにて男⼦181km、⼥⼦100km で⾏う。男⼦は例年通り欧州派遣代表選考会のひとつ として位置づけられる。
・全⽇本学⽣選⼿権トラック: ⻑野県松本市・美鈴湖⾃転⾞競技場にて⾏う。
・チームロード: 昨年に続き、利根川沿道で開催、スタート/フィニッシュ地点はおおとね童謡ふる⾥室前予定。昨年同様60KM程度で開催予定。
・個⼈ロードタイムトライアル: 昨年に引き続き、選⼿権⼤会として利根川で実施する。
・全⽇本学⽣クリテリウム選⼿権:滋賀県東近江市にて⾏う。
・東⻄学⽣選⼿権トラック:2⽇間開催として開催する。東⽇本は福島県泉崎サイクルスタジアムにて開催。

5 強化・普及⼤会の開催
・ロードレース・カップ・シリーズ(RCS) シリーズ戦はこれまで主として地⽅連盟と連携して企画され、学⽣競技者の⼤会参加機会増⼤・地域における⾃転⾞競技活性化の両⾯にお いて⼀定の成果をあげており、選⼿権⼤会の参加資格を持たない選⼿にとっては参加資格を得る機会数の増⼤、すでに参加資格を持っている 選⼿にとっては実戦レースに於ける技量の⾼揚の効果があり、近年の新規加盟校・新規登記選⼿の増⼤にも寄与していると考えられる。 2016 年度は基本的に従来からの路線を踏襲する。2005 年に東⽇本学⽣クリテリウムとして千葉、埼⽟の2戦で始まったシリーズ戦は、年 間約15 戦程度でここ数年安定してきている。さらに実施可能な場合は年度途中であっても実施していくこととする。これまでに引き続き、 主管団体との役割分担・費⽤構造の明確化や、ラウンド毎の競技運営⽅法・質のばらつきの安定化など、運営⽅法の標準化・質と安全性の向 上を図る。 これまでのシリーズ戦は競輪補助⾦に依存せず、参加料・⼀般企業協賛⾦ ・開催地地⽅公共団体予算の協⼒により運営するスタイルをすで に確⽴している。今後の補助⾦減少に左右されずに学⽣競技者の⾛る機会を確保する努⼒が引き続き必要である。また、⼤会決算において余 剰⾦が出た場合には海外派遣事業を増やし、学⽣競技者の強化体制を確たるものにしていくことが望ましい。 ・ロードカテゴリ制 2008年度に導⼊された、実⼒別にクラス1,2,3,に分類する制度は、選⼿権⼤会参加時までのレース経験度があがり、選⼿権⼤会 の安全性・競技レベル向上と、学⽣⾃転⾞競技全体の活性化に⼀定の効果があったと評価できる。本年度もこのロード選⼿のカテゴリ制度を 基本的に継続する。選⼿権⼤会の参加資格としてはクラス2以上を原則とする。 ・欧州派遣: 2008年度から、年度当初に希望者を登録し、登録者の中から、全⽇本学⽣選⼿権ロードレース最上位者、3年⽣以下の全⽇本ロードレ ースカップポイント最上位者の2名を選考・派遣する⽅式とした。結果的に派遣される選⼿の実⼒レベルは従来より低くなったと⾔わざるを 得ない⾯があるが、参加意欲が⾼い者を確実に派遣することにつながり、⻑期的な派遣効果としては有意義であると評価できる。当年度は2 008年からと同様の選考⽅式とする。また、実施時期は学校の試験期間等も考慮し、9⽉上旬とする。また参加機会の増⼤と本連盟負担の 軽減を図るべく、昨年度より3名派遣となったが、これを継続する。
・トラックレースシリーズ ポイントレースを積極的に取り⼊れる。また集団スタートのトラック種⽬の参加基準に、トラック・シリーズ戦の成績を導⼊する。⾚字決 算となりがちな反省を踏まえ、財務状況改善を図る。

6 加盟校・登記選⼿
近い将来的に加盟校100校、登記選⼿数1000名を⽬指す。 (⽇本国内の国⽴⼤学85、公⽴⼤学74、私⽴を含めた⼤学総数約740校)

7 安全性の向上
新規加盟校の増⼤、各校における登記競技者の増⼤は喜ばしいことであるが、他⽅でビギナーレベルの競技者を⼤会に多く迎えることを意 味する。こうした情勢の変化を受け、本連盟としても安全性の維持・向上をはかるべく、以下のようないくつかの施策を導⼊する。
・⼤会における研修的要素の導⼊:ロードレースカップシリーズ戦の中で、主にクラス3カテゴリ選⼿を対象とした集団⾛⾏テクニックの実 地研修を⾏う。また、適宜スタート前に安全な乗⾞⽅法についてのレクチャー等の時間を設ける。講師は本連盟OB 等に依頼する。
・チーム指導者研修制度の創設:経験者の少ない、もしくはいないチームにおいてチーム指導者の育成をはかり、また伝統校においてもチー ム指導者の資質向上をはかるべく、ミーティング&レクチャー形式の研修制度を創設する。

8 コーチ・監督資格の取得促進
2013年度から国⺠体育⼤会は監督としての⼤会参加には⽇本体育協会公認指導員・コーチ資格保持が必須条件となった。本連盟として も、加盟チームのコーチング⼒の向上に際して資格取得を要件とすることは⼀定の効果が期待できることから、インカレでは⼀定の資格所持 を監督の要件とすることを徹底し、資格取得を促進したい。 また、チームアテンダント講習会を実施し、チームスタッフの基本的知識・技量の向上を図ることとする。

9 事業運営
2016年度役員により運営されることとなる。⼤会準備会合は毎週⽔曜⽇夜の定例会議を軸に進められる。
(審判業務)審判業務は⼤会運営の重要な要のひとつであり、⼀定の資格要件と経験を必要とする分野である。その⼈材の確保は⻑期的視点 に⽴脚し、加盟各校による応分の負担と努⼒によってのみ実現される。
(広報活動・協賛⾦募集)より⼀層の各校OB・関係者の協⼒をお願いしたい。
(普及・強化)JCF・⾼体連との連携強化を図りつつ、⼤会・練習時の安全性の向上、選⼿のライディング技能の向上、指導者の指導スキルの 向上と情報交換の活発化を図る。
(学⽣委員)登録は全校に義務づけられているが、とりわけインカレ上位校からの積極的な学⽣委員の派遣、当番校⼤会での積極的役割分担 が期待される。
(当番校制度)のローテーションに近年加わった学校を含め、活性化をはかる。
(アンチドーピング)⼤会における検査、講習会による啓発活動を進める。
(表彰)年間ランキングにより、最優秀選⼿表彰を⾏う。慶弔規程に基づき、国際⼤会参加者を表彰する。 以上