第22回 日韓対抗学生自転車競技大会報告

平成28年11月14日 日本学生自転車競技連盟
選手団大学監督 都甲泰正

2016年日韓対抗学生自転車競技大会が11月5日(土)・6日(日)の2日間にわたり、ヤマダグリーンドーム前橋(335m)において開催されました。 昨年と同様、競技場の形状確認やチーム系の合わせなど、個々の調整も含め事前合宿を2,3日行い臨みました。

昨年は惜しくも1点差負けの結果から、短距離系の韓国に対し長距離系の日本が今回どこまで善戦出来るのかが最大の目標でした。 しかし、22回を迎えたこの日韓戦も今回が最後になるやもしれないと聞きつけ それならば、どうしても勝って有終の美で収めたいと選手団一丸となって臨んだ試合でもありました。

<スプリント>
スプリント予選、身長180㎝を越える韓国チームの大男たちのハロンアタックは予想通り迫力が違いました。(10秒前半)しかしながらアタック2位3位の日本選手もレースとなれば、テクニックでなんとかなると確信しつつ準決勝に、そして番狂わせは大学決勝で起きました。

男子大学生:予選2位の坂井が優勝、予選3位の橋本も順当に3位で表彰台へ。
男子高校生:予選2位3位の梶原と伊藤でしたが決勝はまるで子ども扱いの 展開で梶原2位、伊藤が4位。韓国の高校生は強い!の印象。
女子混合:予選2位の清水、自己ベスト11秒798ながらここはテクニック負けで決勝2位、予選4位の松本も残念ながら表彰台には上がれず4位。

<個人追抜き>
男子大学生:渡邊・荒井ともにインカレ当時のコンディションではないにしろ、そこそこの走りで渡邊が優勝、1000/73秒差で荒井が2位で順当な勝利。
男子高校生:村田が3分31秒670の好タイムながら惜しくも1000/417秒差で2位、中川も健闘したものの4位に終わった。
女子混合:中井・細谷とも2分36秒前後の好タイムで中井が優勝、細谷が2位とここも順当勝利。

<1kmタイムトライアル>
男子大学生:橋本1分4秒742ながら1000/49秒差で惜しくも2位、坂井も1分6秒台で3位表彰台は獲得。
男子高校生:治田1分5秒424と悪くなかったが、世界Jr3位の韓国選手が上回り2位、伊藤も健闘むなしく4位となった。

<500mタイムトライアル>
女子混合:細谷は37秒479と好タイムを出したものの、ここも世界Jr3位の韓国選手に大差で敗れ2位、岡本も健闘したがなぜかここも1000/17秒差で4位となった。
*初日の結果:スプリントはトータル3点差ながらほぼ互角、IPは大差で日本、1㎞TTは大差で韓国、(日本29vs25韓国)の戦いにてほぼ互角。

夜ミーティング:プレッシャー的疲労感からか一応に元気がなく、ケイリンの作戦をしただけで早めの就寝をさせた。

朝ミーティング: 初日はTT系種目が多かったせいか個々として頑張ってはいたのだがいま一つ日本選手団としての一体感が感じられず、覇気もなかったので、ここは一つ全員で勝ちに行くんだという意欲を湧きたたせるために「大学、高校関係なく応援し合おう!声を出せ!この一体感の経験が東京オリンピックに繋がるんだ!」と喝を入れ、選手全員と握手をし、一丸になって頑張ろうと再結団した。

<男子大学団体追抜>
前日IPの結果もあり、渡邊・青野・荒井・橋本の並びで練習の合わせ通りの走りをすれば十分勝てると確信していた。韓国チームが崩壊気味になり実質追抜勝ちとなった。

<チームスプリント>
男子高校生:力は韓国が上と予想されてはいたが1分1秒898で走られては太刀打できず敗退、2走まではほぼ互角、3走の走りに課題を残した結果となった。
女子混合:500mの結果から日本はチームワークで行くしかないと高校生コンビで臨んだのだが、韓国もここは強かった。健闘むなしく2位。

<ケイリン>
3対3のラインならば先行有利は明らかである。何が何でもスタートでペーサーの後ろを取りに行く作戦でホルダーの腕力比べとなった。号砲直後治田が好スタートしかしインから韓国選手が並びかけ軽く接触、治田は引いた。結果1,2,3番手韓国4,5,6番手日本の並びで周回を重ねる。ジャンが鳴った4コーナー青野がアタック続いて坂井追走、前に並ぼうと試みるが、当然合わせられる。それでも間をついて坂井3コーナー3番手の位置、4コーナー余裕を見せた韓国選手2名に坂井が圧巻の追い込みで優勝。
この大会最大の番狂わせを演じてくれた坂井は最優秀選手賞を獲得した。

<女子スクラッチ>
(6、5㎞) 女子全員参加のスクラッチ。5位まで対抗得点を与えられる。前半ペースをあげて韓国のスプリンターをふるい落とす作戦で臨んだ。スタート直後から代わる代わる日本選手がアタック、韓国選手の足を削るがしぶとく追走される展開。終盤、松本と岡本、韓国選手1名が逃げ先行する展開からラスト半周岡本脱落、最後のスプリントで松本も押し切られ惜しくも2位。岡本3位。細谷5位。
*最終レース前:(日本69vs69韓国)同点で迎えた。

<男子ポイントレース>
(30㎞) ポイントレースは男子が全員参加し20名で行われる。女子スクラッチ同様、この種目も5位まで得点が与えられる。なるべく多くの日本選手で上位を占めて総合優勝といきたいところだ。焦りの韓国に対し余裕ながらも慎重な構えの日本、後半に勝負をかける作戦で臨んだ。1回目のポイントを韓国の選手がとりに行く。そのあがったままのペースで今度は日本選手が前々で進み、韓国短距離選手陣はこぼれて行く。中盤まで長、中距離選手同士の点取り攻防が続くが、しかしこの時まだ余裕の日本選手の顔つきに対し士気の落ちた韓国選手が脱落していく姿を観たとき勝負あったと確信した。案の定、後半インカレポイントチャンプの荒井とインタポイントチャンプの中川の逃げが決まり、日本1,2,4,5位で勝利した。
ポイントレース得点差(12ⅴs3)

<総合対抗得点> 81対72と大差で最終章を飾った日本選手団だった。

*韓国選手団の健闘を讃えつつ、日本選手団も東京オリンピックに向けさらなる精進を誓い合い万歳三唱の後解団した。応援ありがとうございました。

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